あるパイロットが雷雨の中フライトした時に、飛行機とニアミスをした。
その飛行機は、現在飛んでいるとは考えにくい複葉機であり、奇妙に思ったパイロットは、それを探し出そうとした。
がしかし、同時間にフライトしていた機は無く、その代わりに数十年前の記録に「謎の飛行物体」と接触をした複葉機の事件を見つけたのだ。
後日、その機体がまだ今も博物館にあることを知って見に行ったパイロットは、その見覚えある機体とそこに残された自機の塗料に愕然となった。
これは、20世紀半ばに実際にあった話である。
☆
ここで問題がある。
もしも、パイロットが雷雨のフライトの前に「過去の事件」を知り、その日のフライトを取り止めれば、過去の事件は存在しなくなる。
また、複葉機のパイロットが「謎の飛行物体」を見た記憶により、その機体が開発されていたとしたら、彼自ら、ニアミス事故を招いたことになる。
これが俗に言う「タイム・パラドックス」であり、タイムマシンが存在しえない理由のひとつにあげられる(それと同時にSF時間物として尽きることの無いネタでもあるのだが……)。
では、この20世紀半ばの「起こる筈ないけれども起こった」事件は一体、何を示しているのか。それは、20世紀も終わり新世紀へと入った時に起こったこの話にあるのかもしれない。
【1.輝く喫茶店 に続く】
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うーん、小学生の頃に読んだ記事だからうろ覚えである。でも事実起こった話と「その手の特集話」には載っていたなぁ…。
【追記】
詳しい記事が載っている本(の紹介)を見つけました。それを踏まえて書き直すかどうかは考慮中です。