2007年 09月 05日
2.図書館に紙吹雪(その1) |
--何だったのよ、一体。
喫茶店『カントリーロードpart2』から一人抜け出した礼は、呟きながら大学のほうへ足早に向かった。
後で再び起こった発光を無視して。
--男女関係のいざこざに巻き込まれる事をした覚えもないし、たとえ悪戯だとしてもあまり良い悪戯でも無い。それより後をつけて来ないでしょうね。
礼はそう考えると、より一層歩調を速めた。(確かに彼女のその心配は半分だけ当たっていたのだが)
【↓2007/9/6更新↓】
大学の門をくぐっても、度々後を見てあの二人がいない事を確かめていた礼は、中庭まで来てやっと一息ついた。
「さて、と。これからどこに行くか、だよね」
作業の続きをするなら図書館しか無いか。いや、空調の効いた空き教室を探すべきか。との二者択一をする礼は、肩を叩かれてビクっとした。
慌てて振り向く礼の前に、これまたビックリ顔の真が立っていた。
「どうしたんだ、怖い顔して辞書なんか振り上げちゃって。俺はちゃんと教授のところに行ってきたって」
「ごめん、少し気が立ってたみたい。真が悪いんじゃ無いの」
反射的に振り上げていた辞書に気付き、礼は無理に笑顔を見せて、その手を下げた。
「そっだ、ねぇ真。どこで論文を進める?」
礼は照れ隠し半分で場所の選択を真に委ねると、
「俺って、資料集めから始めなきゃいけないんだぜ?図書館に決まってろーが」
の一言で、すんなりと図書館に決まった。
「でも、論文の資料って家の図書館で揃うかしら?」
「何を言う、やる気があれば何とでもなるものだっ。問題は気合だよ、気合。がっはっはっは」
「……気合ね」
などと話しながら歩いていく二人を、中庭の茂みの中でじっと隠れて見ている謎の男性二人組がいた。
彼らは、その後を追いかけようとしたのだが、如何せん茂みの中、服が枝に引っかかってすぐには動けなかった。
☆
喫茶店『カントリーロードpart2』から一人抜け出した礼は、呟きながら大学のほうへ足早に向かった。
後で再び起こった発光を無視して。
--男女関係のいざこざに巻き込まれる事をした覚えもないし、たとえ悪戯だとしてもあまり良い悪戯でも無い。それより後をつけて来ないでしょうね。
礼はそう考えると、より一層歩調を速めた。(確かに彼女のその心配は半分だけ当たっていたのだが)
【↓2007/9/6更新↓】
大学の門をくぐっても、度々後を見てあの二人がいない事を確かめていた礼は、中庭まで来てやっと一息ついた。
「さて、と。これからどこに行くか、だよね」
作業の続きをするなら図書館しか無いか。いや、空調の効いた空き教室を探すべきか。との二者択一をする礼は、肩を叩かれてビクっとした。
慌てて振り向く礼の前に、これまたビックリ顔の真が立っていた。
「どうしたんだ、怖い顔して辞書なんか振り上げちゃって。俺はちゃんと教授のところに行ってきたって」
「ごめん、少し気が立ってたみたい。真が悪いんじゃ無いの」
反射的に振り上げていた辞書に気付き、礼は無理に笑顔を見せて、その手を下げた。
「そっだ、ねぇ真。どこで論文を進める?」
礼は照れ隠し半分で場所の選択を真に委ねると、
「俺って、資料集めから始めなきゃいけないんだぜ?図書館に決まってろーが」
の一言で、すんなりと図書館に決まった。
「でも、論文の資料って家の図書館で揃うかしら?」
「何を言う、やる気があれば何とでもなるものだっ。問題は気合だよ、気合。がっはっはっは」
「……気合ね」
などと話しながら歩いていく二人を、中庭の茂みの中でじっと隠れて見ている謎の男性二人組がいた。
彼らは、その後を追いかけようとしたのだが、如何せん茂みの中、服が枝に引っかかってすぐには動けなかった。
☆
by hk-club
| 2007-09-05 17:45
| A SUITOR