2006年 01月 13日
第37話 レイズ・ユア・ハンド (台詞起こし:Bパート) |
1月13日台詞先行版
1月15日状況説明加筆
1月15日修正版 yasuさん感謝です
■ようやく。
第37話が終了(いや、状況説明がまだなのですけども)。今回は、作業自体は比較的楽だったのですが、いかんせん毎日のように夜9時過ぎに布団に入って復帰できなかったという…。いや、本当、申し訳ありませんでした。「次回こそはっ!」と言えない気がしますので、ぼちぼち行かせてくださいね(コラコラッ。
■で、やっとこさ。
第37話の感想に取り掛かれます。微妙に食い違ってるレントンとエウレカの関係とか、人になりたがってるエウレカは年をとってなかった話とかを出来たらいいなぁ(…希望なのか?。
■BパートStart
■BパートStart
○塔。
周りを飛び交う、抗体コーラリアン。
そこに現れるtheEND。アネモネの声が叫ぶ。
『アゲハ隊、フォーメーション・ガグンドーラっ!』
それに呼応して新型KLF6体が、theENDを中心に正六角形を空で形つくる。
両胸から赤く放電?を始める新型KLF。その放電は横同士を繋ぎ、そして中心のtheENDへと集中する。
それを受け、頭・腹・股間・両肩・両腕が黄緑色に発行するtheEND。
○theENDコクピット内。
必殺技を叫ぶアネモネ。
「バハルックスウェルっ!」
その途端、theENDを中心にどす赤黒の球形が発生、それに巻き込まれた抗体コーラリアンは塩の塊となっていく。
そしてその場から離脱するtheEND。
○戦艦ブリッジ。
ドミニクの叫び声が響いている。
「あの塔に何人の人間がいると思ってるんだ?」
モニタを見ながら冷静に答えるアゲハ隊の金髪少年。
「3万5千2百とんで5人」
その後ろの方でさらに声を荒げるドミニク。
「数じゃない。人間がいるんだぞ。それを見殺しにするのか?」
やれやれといった面持ちで眉をひそめ言う金髪少年。
「数を尋ねたのはあなたでしょう」
別のアゲハ隊少年(やまたい)がドミニクを見て問う。
「あの塔にお知り合いでも?」
「いや」
その答えにもう一人の少年(黒人)がドミニクを見つめ冷たく言い放つ。
「では黙っている事です。(しかめっ面のドミニクアップ)われわれも抗体コーラリアンを殲滅する術を持っている訳じゃない」
「抗体コーラリアンが活動停止する時間に合わせてアネモネ隊を投入する」
モニタリングをしているアゲハ隊の少年(金髪)が、theEND出撃のからくりを自慢げに説明する。その後を継いで別の少年(黒人)が言う。
「そうすれば、いかにも我々が殲滅した様に見えます」
○theENDコクピット。
「きゃっはははははぁ~っ!」
狂気に満ちた笑いをあげるアネモネ。
胸からバスタードクライシスを発射しているtheEND。つまりは抗体コーラリアンに効く効かないは別としての、デモストレーション(だと思われる)。
○戦艦内ブリッジ。
眉を顰めたままのドミニク。そんな彼に浴びせかけられるアゲハ隊少年の声。
「気にしないほうがいいです」
「ぐっ!」
今のドミニクには床を悔しげに見つめることしか出来ない。
競技場の画像がフェードインしてくる。それにかぶさるアゲハ隊の少年たちの声。
「犠牲者なんて大衆にとって数でしかない」
「でも数は大衆を動かす」
「大佐の望む方向に」
○競技場
観客席には多数の人々が集まっている(けれども、スタジアム一杯ではない)。
それを覗き見るデューイ。その元にオレンジ隊の少年(きのこ)がやってきて報告する。
「オレンジは予定通りに」
少年に確認するデューイ。
「戻る時間は見ているだろうね」
「はい」
「私たちに代わって騒ぎ立ててくれる道化は?」
指差すオレンジ隊の少年(きのこ)。その先には多数の報道陣。
それを見て満足気に笑い頷くデューイ。演壇へと上る。
そのとたんバックの巨大スクリーン群に映し出されるデューイ。
『私はここに真実を携えてきた。(大衆に向かい語るデューイ)真実は常に甘いとは限らない。時には苦しく辛い事もある。(それを効く観客席の人々)だが我々は直視するしかないのだ。(両手を広げパフォーマンスを取るデューイ)真実であるがゆえにっ!』
ぱっと、バックのモニタに映し出される抗体コーラリアンが街を襲う様子。それも多種多様なアングルで。
ざわめく会場。
「酷い」男
「こんな事…」女
「俺達あそこにいたんだよな…」男
点どうやら、ここに集まっている人々は、抗体コーラリアンに襲われて逃げ延びてきた人々のよう。
初めて知る事実に騒ぎ立てるマスコミ。
「おい、すぐにキー局に連絡しろっ!」
興奮したプロデューサらしき人物が指示を出している。
「スクープだ。いい絵抜けよ」
これにかぶってデューイの演説、
『見よ、この惨劇をっ!』
が聞こえる。
演壇で抗体コーラリアンの襲撃シーンをバックに喋るデューイ。
『これが今この星で起きている惨劇だ。今や人類は、コーラリアンと呼ばれる未知の生命体の攻撃を受けている。(デューイのアップ)にもかかわらず賢人会議はこの事実を隠蔽しようとしている。(訴えるようなわざとらしい仕草)何故だ?』
○お茶の間
壁掛けTVで放送を見る一家(年老いた父母と娘?)。
『恐ろしいからだ。彼らにはそれを制する力が無い。』
○バー。
TVからの包装を見ている人々。
『賢人会議は無力なのだっ!』
「おいおい、今まで誰が俺たちを守ってくれたってんだよ、賢人会議だろ?」
グラス片手に言う黒人男性。それに対して横のそばかす男が言う。
「でもよー、なんか連絡のつかない塔が増えてるってさ」
「お前、あんな変てこりんな奴らが攻めてくるなんて信じんの?」
そこにやってくる男。
「本当だっ」
「うん?」
男は左目を覆うように頭から包帯を巻いている怪我人。
「あいつら、俺の家族を殺しやがった」
『賢人に頼れないならば我々はこのまま座して死を待つしかないのか?』
○競技場。
演壇で抗体コーラリアンの襲撃シーンをバックに喋るデューイ。さっき以上に立ち振る舞いに力が入っている。
『答えは否っ!断じて否っ!(画面:観客席の人々に向かっているデューイの後姿のロング画像)私は賢人会議に逆らう事になろうとも、断じて否というっ!(画面:話を聞く人々)力には力を。敵が絶対的な力を持つならば我等も同じ力をっ!』
力強く言い放ったデューイのアクションが終わるや否や、競技場上空にやってくるKLFの光。
○競技場内、人々。
ざわめく人々。
「騙されるな、あんなの嘘だ」
冷静な?人が言うも、
「嘘じゃねえ、本当だっ!」
後ろにいた男に首筋を?まれて黙らされてしまう。
○競技場内、マスコミ
ADらしき人物を怒鳴っているディレクターらしき人物。カメラはその間も映像を撮りっぱなし。
「首都に連絡がつかない?馬鹿言ってんじゃねーよ、スクープなんだぞっ!」
○競技場内、人々。
『力が無ければ人に未来は無い。力こそ未来を切り開く』
デューイの演説に興奮している。
その映像がtheENDのコクピットのモニタに移ってる絵になる。
それを見ているアネモネの本当にいやそうな表情。
「考えてるようで考えてない顔ばっか。気持ち悪~」
○競技場。
演壇のデューイ。
『紹介しよう。我々にとって最後の希望、(上空から降りてくるKLF…中央にtheEND、左右に3台ずつ新型KLF)アゲハ隊だっ!(両手を広げてパフォーマンスするデューイ)』
「おーーっ!」という人々の歓声。
競技場内に着地するKLF。バックのモニタには、抗体コーラリアンと戦うKLFの姿がそれらしく映っている。
演壇後の巨大モニタにうつるデューイ、オー場アクションとともに言う。
『そしてアゲハ隊を率いる、美しき戦いの女神、アネモネっ!』
そこに、颯爽とポーズを決めてtheENDから出てくるアネモネ。その表情は素晴らしく可愛い笑顔である。
人々から沸き立つ歓声。
そんな中、デューイの演説は続く。巨大スクリーンはアネモネを中心にKLFを映している。
『今日あるこの事態を想定し、コーラリアンに対抗する組織を作り上げようとしたのは私ではないっ。誰あろう、彼の英雄アドロックなのだっ。(ここで巨大スクリーンがアドロックに変わる。その前で演説を続けるデューイ)彼こそ、コーラリアンの襲来を予想し、賢人の陰謀を知り、すべてを見通したアゲハ構想を我々に残してくれたのだっ!』
いっそう沸き立つ歓声。それに右手を軽く上げて答えるデューイ。
そこにアゲハ隊の少年(きのこ)がやってきて、デューイに耳打ちで話し出す。その途端驚気の表情を浮かべるデューイ。
報告が終わると直ちに立ち去る少年。
正面を渋い表情で見据えたまま黙して語らないデューイ。しばらくして目を伏せる。
人々から「どうしたんだ」とか声が上がりだす。
報道陣も、突然の沈黙の時間に戸惑っている様子。
あまりにも長い沈黙に人々の声も静まる。
そこで語りだすデューイ。
『諸君。今、悲しむべき知らせが入った。キャピトル・ヒルが敵の攻撃を受けている。腐敗しきった賢人会議は何も出来ず、ただ手をこまねいているだけだ。(握り拳を見せるデューイ)…だが私は行動するっ!直ちに首都を救いに行く!(その手を後へなぎ払うように振る)』
演壇から去っていくデューイ。
そこに沸き立つ「わーっ!」という大歓声。
○月光号内談話室。
歩いて演壇から去っていくデューイのアップを放送しているTV画面。
それを見ているクルー達。
「これで首都を襲うコーラリアンの映像があれば完璧だな」
ぽそっと言うハップ、睨むようにTVを見つめるホランド、その横でそれを気にして見るタルホ。
先ほど撮ったビデオテープを手で弄びながらつぶやくストナー。
「世紀のスクープもチャラになっちまうのか」
それに不思議そうに尋ねるギジェット。
「どうしてさ。映像だってあるじゃない。(ハップの方に)ねえ?」
「これだけ大掛かりに嘘を吐かれるとな、真実なんて見えなくなるんだよ」
振られたハップがギジェットに説明する。
しかめっ面で言い放つホランド。
「たとえ真実でも、コップ一杯の水で川の流れは変わらない」
その言葉に頷きながらハップ、
「メディア戦じゃ完全にこっちの負けって訳だ」
と言うも、でも何か納得のいかない表情のギジェット。
ストナーは決意の篭った声で語りだす。
「俺は必ず記事をモノにする」
そんなストナーに言うハップ。
「時機を逸してるぜ」
それでもストナーの決意は固い。
「世界中の人間が知らなくても、誰か一人の目に留まればいい。その為に俺に出来る事は記事を書く事だけだ」
ハップは言う。
「だけど、取り敢えず世論はコーラリアン殲滅で確定ってとこだな」
「ハップっ!」
ギジェットにいなされて、エウレカに気がつくハップ。
「ん?…あっ!」
エウレカ眉をひそめている。
「ぁ…」
この場から立ち去ろうとしたエウレカの手をとって引き止めるタルホ。
「逃げちゃ駄目よ」
その優しい声に目を見開いていたエウレカの表情も治まる。
「…(こっくり)」
そして、落ち着いたエウレカが振り向いた先にいたのは、驚きを隠せない表情でTV画面を見つめているレントン。
その目は見開き、口は開けたままという放心状態。
それを心配気に見るエウレカ。
○月光号内格納庫。
モリタ、ソニア、グレッグに向かって立つエウレカとミーシャ。
「行っちゃうの?」
寂しげに言うエウレカ。
「うん」
体に合わない可愛い声で頷くグレッグ。
ソニアがエウレカにやさしく言う。
「クダンの限界仮説、真実だとしたら、その時期が何時になるのか正確に割り出さなきゃならないのよ」
モリタは困ったように笑いながら話す。
「その為に研究所に戻る。それに、たまってる仕事もあるしな」
みんなの言葉を聴いて言うエウレカ。
「寂しくなるわ」
その言葉に一人反応するグレッグ。
「うぅ、寂しく…」
ミーシャがグレッグに言う。
「じゃあ、元気でね」
そんなミーシャに話しかけるグレッグ。
「…。君も来ないか?」
笑みを浮かべて言うミーシャ。
「いえ、私にはまだやることがあるわ(画面:ミーシャの横に立つエウレカ)」
顔をぽりぽり掻きながら恐る恐るミーシャに言うグレッグ。
「もしも…、もう一度何か研究する事があったら、また机を並べないか?」
「あなたが後10キロ痩せたらね」
そんなミーシャの言葉を聞いて興奮するグレッグ。
「…!か、仮定の話は嫌いだったんじゃないのか?」
そんなグレッグを見てやれやれといった面持ちのミーシャ、言う。
「二人の家庭の話でしょう?」
その言葉の違いに気付いて赤くなるグレッグ、
「…う…うははは…」
ミーシャに抱きついて
「エウレカの変化は早すぎる」
と小声で言う。それに頷くミーシャ。
当のエウレカはモリタとソニアのところに行って握手している。それを見るミーシャとグレッグ。
○青空の下、飛ぶ月光号。
離れていく高速艇。
そこにかぶって聞こえるホランドの声。
「このままじゃいけない。…そうだろ?」
○月光号内ホランド自室。
SE:ぷーっ
おならをしつつ、ソファに座るノルブ師。
「豆を食いすぎた。すべてはヴォダラクのお導き、いかなる最後を迎えるか、それは人の決める事だよ」
ベッドに胡坐を掻くホランド答える。
「残念ながら俺はヴォダラク教徒じゃないんでね。こんな事で人の運命を決められてたまるかっ。しかもアドロックの名前まで出されて」
○月光号内格納庫。
ニルヴァーシュの横に座るレントン、
「いい?」
「んっ?」
声をかけられて初めてエウレカが近くにいた事を気付く。
レントンの横に座り込むエウレカ。
二人座ったままの時間が流れる。
「信じるの?」
「えっ?」
沈黙を破ったエウレカの言葉に何を聞いてるのかわからず問い返すレントン。
「デューイの言葉。…信じるの?」
言い直すエウレカ。
それでようやく理解したレントン、言う。
「…信じてないよ。(頭を下げるレントン)でも…ごめん」
「何で謝るの?」
不思議そうに聞くエウレカに、説明するレントン。
「本当に傷付いてるのは君なのに…俺…」
自分への苛立ちで震えるレントンに、
「いいの」
と言い、そしてその後レントンに体を預け、もたれかかって(途端に全身が反応するレントン)、
「こうしているだけで…」
と言うエウレカ(ようやく治まるレントンの体)。
このシーンにかぶってノルブの声。
「エウレカは力を失いつつある。人とコーラリアンが対となってニルヴァーシュに乗る事。それが重要だ」
○月光号内ホランド自室。
語るノルブ師のアップ。
「魂(こん)と魄(ぱく)のようにな。(聞くホランドのアップ)エウレカはエウレカであろうとしなくなっている。(赤面しているレントンにもたれて幸せそうなエウレカ)…人になる事を望んでいる。(語るノルブ師とホランド)そうなる前に何としてもやり遂げなくてはならない。それがサクヤとの約束だからな」
ホランド、言う。
「ああ、急ぐさ。デューイも動き出したからな」
○塔のすぐ横、上空。
飛ぶオレンジ色の戦艦。
そのブリッジにいるデューイ達。
「これで大衆は動き出す。人間とは単純なものだ。不安を煽り、そこに一滴の希望をもたらせば容易に動く。君の様な希望をね」
巨大モニタに映し出されたTV放送の録画を見ながら語るデューイ。
その右横にいたアネモネ、
「あたしが希望っ?」
喜びの表情でデューイを見る。
「そうだよ」
アネモネの方を向き、その方に手を置くデューイ。
「大佐」
そこに割って入るドミニク。
「キャピトル・ヒル周辺に現れた抗体コーラリアンはまさか…」
「キャピトル・ヒル周辺にクテ級が現れたという報告はありません。…今のところ」
アゲハ隊の少年(金髪)がいたずらっぽい表情を浮かべて言う。
「誰かが狼煙をあげなければ民衆は目覚めない。眠れる大地もな」
デューイがそれを容認していた(…指示していた)のに気付くドミニク。
「は…」
ショックを受けている。
「ふふん」
そんなドミニクを見て鼻で笑うアネモネ
○月光号内格納庫。
相変わらず寄り添っているレントンとエウレカ。
レントンがエウレカに聞いてる。
「グレイトウォールの先に何があるの?」
そんな問いかけに答えるエウレカ。
「知らない。でもひとつだけ知っている言葉があるわ」
エウレカの方を向き、聞くレントン。
「何?」
にこっと笑って言うエウレカ。
「未来」
不思議そうな表情をするレントンにエウレカは言葉を続ける。
「グレイトウォールの先にはそれがあるの」
訳がわからないといった感じで視線をそらすレントン。
「アドロックが言ってたわ」
その言葉を聞いた途端目を見開き、エウレカを見つめるレントン。
「父さんがっ?」
驚いて問いただす。
「うん」
さっきと同じく笑みを浮かべたまま頷くエウレカ。
そんなエウレカとは対照的なレントン。
「(驚きの表情)…っ!(エウレカに顔を近づけたであろうアップ) 父さんの事、知ってんの?」
(レントンとエウレカの声で)つづく
■BパートEnd
■次回予告
『変化する時代のうねりの中で少年は父親の真実を知る。過去の物語は少年と少女をどんな絆で結ぶのか。 次回デイト・オブ・バース』
■第37話 レイズ・ユア・ハンドEnd
1月15日状況説明加筆
1月15日修正版 yasuさん感謝です
■ようやく。
第37話が終了(いや、状況説明がまだなのですけども)。今回は、作業自体は比較的楽だったのですが、いかんせん毎日のように夜9時過ぎに布団に入って復帰できなかったという…。いや、本当、申し訳ありませんでした。「次回こそはっ!」と言えない気がしますので、ぼちぼち行かせてくださいね(コラコラッ。
■で、やっとこさ。
第37話の感想に取り掛かれます。微妙に食い違ってるレントンとエウレカの関係とか、人になりたがってるエウレカは年をとってなかった話とかを出来たらいいなぁ(…希望なのか?。
■BパートStart
■BパートStart
○塔。
周りを飛び交う、抗体コーラリアン。
そこに現れるtheEND。アネモネの声が叫ぶ。
『アゲハ隊、フォーメーション・ガグンドーラっ!』
それに呼応して新型KLF6体が、theENDを中心に正六角形を空で形つくる。
両胸から赤く放電?を始める新型KLF。その放電は横同士を繋ぎ、そして中心のtheENDへと集中する。
それを受け、頭・腹・股間・両肩・両腕が黄緑色に発行するtheEND。
○theENDコクピット内。
必殺技を叫ぶアネモネ。
「バハルックスウェルっ!」
その途端、theENDを中心にどす赤黒の球形が発生、それに巻き込まれた抗体コーラリアンは塩の塊となっていく。
そしてその場から離脱するtheEND。
○戦艦ブリッジ。
ドミニクの叫び声が響いている。
「あの塔に何人の人間がいると思ってるんだ?」
モニタを見ながら冷静に答えるアゲハ隊の金髪少年。
「3万5千2百とんで5人」
その後ろの方でさらに声を荒げるドミニク。
「数じゃない。人間がいるんだぞ。それを見殺しにするのか?」
やれやれといった面持ちで眉をひそめ言う金髪少年。
「数を尋ねたのはあなたでしょう」
別のアゲハ隊少年(やまたい)がドミニクを見て問う。
「あの塔にお知り合いでも?」
「いや」
その答えにもう一人の少年(黒人)がドミニクを見つめ冷たく言い放つ。
「では黙っている事です。(しかめっ面のドミニクアップ)われわれも抗体コーラリアンを殲滅する術を持っている訳じゃない」
「抗体コーラリアンが活動停止する時間に合わせてアネモネ隊を投入する」
モニタリングをしているアゲハ隊の少年(金髪)が、theEND出撃のからくりを自慢げに説明する。その後を継いで別の少年(黒人)が言う。
「そうすれば、いかにも我々が殲滅した様に見えます」
○theENDコクピット。
「きゃっはははははぁ~っ!」
狂気に満ちた笑いをあげるアネモネ。
胸からバスタードクライシスを発射しているtheEND。つまりは抗体コーラリアンに効く効かないは別としての、デモストレーション(だと思われる)。
○戦艦内ブリッジ。
眉を顰めたままのドミニク。そんな彼に浴びせかけられるアゲハ隊少年の声。
「気にしないほうがいいです」
「ぐっ!」
今のドミニクには床を悔しげに見つめることしか出来ない。
競技場の画像がフェードインしてくる。それにかぶさるアゲハ隊の少年たちの声。
「犠牲者なんて大衆にとって数でしかない」
「でも数は大衆を動かす」
「大佐の望む方向に」
○競技場
観客席には多数の人々が集まっている(けれども、スタジアム一杯ではない)。
それを覗き見るデューイ。その元にオレンジ隊の少年(きのこ)がやってきて報告する。
「オレンジは予定通りに」
少年に確認するデューイ。
「戻る時間は見ているだろうね」
「はい」
「私たちに代わって騒ぎ立ててくれる道化は?」
指差すオレンジ隊の少年(きのこ)。その先には多数の報道陣。
それを見て満足気に笑い頷くデューイ。演壇へと上る。
そのとたんバックの巨大スクリーン群に映し出されるデューイ。
『私はここに真実を携えてきた。(大衆に向かい語るデューイ)真実は常に甘いとは限らない。時には苦しく辛い事もある。(それを効く観客席の人々)だが我々は直視するしかないのだ。(両手を広げパフォーマンスを取るデューイ)真実であるがゆえにっ!』
ぱっと、バックのモニタに映し出される抗体コーラリアンが街を襲う様子。それも多種多様なアングルで。
ざわめく会場。
「酷い」男
「こんな事…」女
「俺達あそこにいたんだよな…」男
点どうやら、ここに集まっている人々は、抗体コーラリアンに襲われて逃げ延びてきた人々のよう。
初めて知る事実に騒ぎ立てるマスコミ。
「おい、すぐにキー局に連絡しろっ!」
興奮したプロデューサらしき人物が指示を出している。
「スクープだ。いい絵抜けよ」
これにかぶってデューイの演説、
『見よ、この惨劇をっ!』
が聞こえる。
演壇で抗体コーラリアンの襲撃シーンをバックに喋るデューイ。
『これが今この星で起きている惨劇だ。今や人類は、コーラリアンと呼ばれる未知の生命体の攻撃を受けている。(デューイのアップ)にもかかわらず賢人会議はこの事実を隠蔽しようとしている。(訴えるようなわざとらしい仕草)何故だ?』
○お茶の間
壁掛けTVで放送を見る一家(年老いた父母と娘?)。
『恐ろしいからだ。彼らにはそれを制する力が無い。』
○バー。
TVからの包装を見ている人々。
『賢人会議は無力なのだっ!』
「おいおい、今まで誰が俺たちを守ってくれたってんだよ、賢人会議だろ?」
グラス片手に言う黒人男性。それに対して横のそばかす男が言う。
「でもよー、なんか連絡のつかない塔が増えてるってさ」
「お前、あんな変てこりんな奴らが攻めてくるなんて信じんの?」
そこにやってくる男。
「本当だっ」
「うん?」
男は左目を覆うように頭から包帯を巻いている怪我人。
「あいつら、俺の家族を殺しやがった」
『賢人に頼れないならば我々はこのまま座して死を待つしかないのか?』
○競技場。
演壇で抗体コーラリアンの襲撃シーンをバックに喋るデューイ。さっき以上に立ち振る舞いに力が入っている。
『答えは否っ!断じて否っ!(画面:観客席の人々に向かっているデューイの後姿のロング画像)私は賢人会議に逆らう事になろうとも、断じて否というっ!(画面:話を聞く人々)力には力を。敵が絶対的な力を持つならば我等も同じ力をっ!』
力強く言い放ったデューイのアクションが終わるや否や、競技場上空にやってくるKLFの光。
○競技場内、人々。
ざわめく人々。
「騙されるな、あんなの嘘だ」
冷静な?人が言うも、
「嘘じゃねえ、本当だっ!」
後ろにいた男に首筋を?まれて黙らされてしまう。
○競技場内、マスコミ
ADらしき人物を怒鳴っているディレクターらしき人物。カメラはその間も映像を撮りっぱなし。
「首都に連絡がつかない?馬鹿言ってんじゃねーよ、スクープなんだぞっ!」
○競技場内、人々。
『力が無ければ人に未来は無い。力こそ未来を切り開く』
デューイの演説に興奮している。
その映像がtheENDのコクピットのモニタに移ってる絵になる。
それを見ているアネモネの本当にいやそうな表情。
「考えてるようで考えてない顔ばっか。気持ち悪~」
○競技場。
演壇のデューイ。
『紹介しよう。我々にとって最後の希望、(上空から降りてくるKLF…中央にtheEND、左右に3台ずつ新型KLF)アゲハ隊だっ!(両手を広げてパフォーマンスするデューイ)』
「おーーっ!」という人々の歓声。
競技場内に着地するKLF。バックのモニタには、抗体コーラリアンと戦うKLFの姿がそれらしく映っている。
演壇後の巨大モニタにうつるデューイ、オー場アクションとともに言う。
『そしてアゲハ隊を率いる、美しき戦いの女神、アネモネっ!』
そこに、颯爽とポーズを決めてtheENDから出てくるアネモネ。その表情は素晴らしく可愛い笑顔である。
人々から沸き立つ歓声。
そんな中、デューイの演説は続く。巨大スクリーンはアネモネを中心にKLFを映している。
『今日あるこの事態を想定し、コーラリアンに対抗する組織を作り上げようとしたのは私ではないっ。誰あろう、彼の英雄アドロックなのだっ。(ここで巨大スクリーンがアドロックに変わる。その前で演説を続けるデューイ)彼こそ、コーラリアンの襲来を予想し、賢人の陰謀を知り、すべてを見通したアゲハ構想を我々に残してくれたのだっ!』
いっそう沸き立つ歓声。それに右手を軽く上げて答えるデューイ。
そこにアゲハ隊の少年(きのこ)がやってきて、デューイに耳打ちで話し出す。その途端驚気の表情を浮かべるデューイ。
報告が終わると直ちに立ち去る少年。
正面を渋い表情で見据えたまま黙して語らないデューイ。しばらくして目を伏せる。
人々から「どうしたんだ」とか声が上がりだす。
報道陣も、突然の沈黙の時間に戸惑っている様子。
あまりにも長い沈黙に人々の声も静まる。
そこで語りだすデューイ。
『諸君。今、悲しむべき知らせが入った。キャピトル・ヒルが敵の攻撃を受けている。腐敗しきった賢人会議は何も出来ず、ただ手をこまねいているだけだ。(握り拳を見せるデューイ)…だが私は行動するっ!直ちに首都を救いに行く!(その手を後へなぎ払うように振る)』
演壇から去っていくデューイ。
そこに沸き立つ「わーっ!」という大歓声。
○月光号内談話室。
歩いて演壇から去っていくデューイのアップを放送しているTV画面。
それを見ているクルー達。
「これで首都を襲うコーラリアンの映像があれば完璧だな」
ぽそっと言うハップ、睨むようにTVを見つめるホランド、その横でそれを気にして見るタルホ。
先ほど撮ったビデオテープを手で弄びながらつぶやくストナー。
「世紀のスクープもチャラになっちまうのか」
それに不思議そうに尋ねるギジェット。
「どうしてさ。映像だってあるじゃない。(ハップの方に)ねえ?」
「これだけ大掛かりに嘘を吐かれるとな、真実なんて見えなくなるんだよ」
振られたハップがギジェットに説明する。
しかめっ面で言い放つホランド。
「たとえ真実でも、コップ一杯の水で川の流れは変わらない」
その言葉に頷きながらハップ、
「メディア戦じゃ完全にこっちの負けって訳だ」
と言うも、でも何か納得のいかない表情のギジェット。
ストナーは決意の篭った声で語りだす。
「俺は必ず記事をモノにする」
そんなストナーに言うハップ。
「時機を逸してるぜ」
それでもストナーの決意は固い。
「世界中の人間が知らなくても、誰か一人の目に留まればいい。その為に俺に出来る事は記事を書く事だけだ」
ハップは言う。
「だけど、取り敢えず世論はコーラリアン殲滅で確定ってとこだな」
「ハップっ!」
ギジェットにいなされて、エウレカに気がつくハップ。
「ん?…あっ!」
エウレカ眉をひそめている。
「ぁ…」
この場から立ち去ろうとしたエウレカの手をとって引き止めるタルホ。
「逃げちゃ駄目よ」
その優しい声に目を見開いていたエウレカの表情も治まる。
「…(こっくり)」
そして、落ち着いたエウレカが振り向いた先にいたのは、驚きを隠せない表情でTV画面を見つめているレントン。
その目は見開き、口は開けたままという放心状態。
それを心配気に見るエウレカ。
○月光号内格納庫。
モリタ、ソニア、グレッグに向かって立つエウレカとミーシャ。
「行っちゃうの?」
寂しげに言うエウレカ。
「うん」
体に合わない可愛い声で頷くグレッグ。
ソニアがエウレカにやさしく言う。
「クダンの限界仮説、真実だとしたら、その時期が何時になるのか正確に割り出さなきゃならないのよ」
モリタは困ったように笑いながら話す。
「その為に研究所に戻る。それに、たまってる仕事もあるしな」
みんなの言葉を聴いて言うエウレカ。
「寂しくなるわ」
その言葉に一人反応するグレッグ。
「うぅ、寂しく…」
ミーシャがグレッグに言う。
「じゃあ、元気でね」
そんなミーシャに話しかけるグレッグ。
「…。君も来ないか?」
笑みを浮かべて言うミーシャ。
「いえ、私にはまだやることがあるわ(画面:ミーシャの横に立つエウレカ)」
顔をぽりぽり掻きながら恐る恐るミーシャに言うグレッグ。
「もしも…、もう一度何か研究する事があったら、また机を並べないか?」
「あなたが後10キロ痩せたらね」
そんなミーシャの言葉を聞いて興奮するグレッグ。
「…!か、仮定の話は嫌いだったんじゃないのか?」
そんなグレッグを見てやれやれといった面持ちのミーシャ、言う。
「二人の家庭の話でしょう?」
その言葉の違いに気付いて赤くなるグレッグ、
「…う…うははは…」
ミーシャに抱きついて
「エウレカの変化は早すぎる」
と小声で言う。それに頷くミーシャ。
当のエウレカはモリタとソニアのところに行って握手している。それを見るミーシャとグレッグ。
○青空の下、飛ぶ月光号。
離れていく高速艇。
そこにかぶって聞こえるホランドの声。
「このままじゃいけない。…そうだろ?」
○月光号内ホランド自室。
SE:ぷーっ
おならをしつつ、ソファに座るノルブ師。
「豆を食いすぎた。すべてはヴォダラクのお導き、いかなる最後を迎えるか、それは人の決める事だよ」
ベッドに胡坐を掻くホランド答える。
「残念ながら俺はヴォダラク教徒じゃないんでね。こんな事で人の運命を決められてたまるかっ。しかもアドロックの名前まで出されて」
○月光号内格納庫。
ニルヴァーシュの横に座るレントン、
「いい?」
「んっ?」
声をかけられて初めてエウレカが近くにいた事を気付く。
レントンの横に座り込むエウレカ。
二人座ったままの時間が流れる。
「信じるの?」
「えっ?」
沈黙を破ったエウレカの言葉に何を聞いてるのかわからず問い返すレントン。
「デューイの言葉。…信じるの?」
言い直すエウレカ。
それでようやく理解したレントン、言う。
「…信じてないよ。(頭を下げるレントン)でも…ごめん」
「何で謝るの?」
不思議そうに聞くエウレカに、説明するレントン。
「本当に傷付いてるのは君なのに…俺…」
自分への苛立ちで震えるレントンに、
「いいの」
と言い、そしてその後レントンに体を預け、もたれかかって(途端に全身が反応するレントン)、
「こうしているだけで…」
と言うエウレカ(ようやく治まるレントンの体)。
このシーンにかぶってノルブの声。
「エウレカは力を失いつつある。人とコーラリアンが対となってニルヴァーシュに乗る事。それが重要だ」
○月光号内ホランド自室。
語るノルブ師のアップ。
「魂(こん)と魄(ぱく)のようにな。(聞くホランドのアップ)エウレカはエウレカであろうとしなくなっている。(赤面しているレントンにもたれて幸せそうなエウレカ)…人になる事を望んでいる。(語るノルブ師とホランド)そうなる前に何としてもやり遂げなくてはならない。それがサクヤとの約束だからな」
ホランド、言う。
「ああ、急ぐさ。デューイも動き出したからな」
○塔のすぐ横、上空。
飛ぶオレンジ色の戦艦。
そのブリッジにいるデューイ達。
「これで大衆は動き出す。人間とは単純なものだ。不安を煽り、そこに一滴の希望をもたらせば容易に動く。君の様な希望をね」
巨大モニタに映し出されたTV放送の録画を見ながら語るデューイ。
その右横にいたアネモネ、
「あたしが希望っ?」
喜びの表情でデューイを見る。
「そうだよ」
アネモネの方を向き、その方に手を置くデューイ。
「大佐」
そこに割って入るドミニク。
「キャピトル・ヒル周辺に現れた抗体コーラリアンはまさか…」
「キャピトル・ヒル周辺にクテ級が現れたという報告はありません。…今のところ」
アゲハ隊の少年(金髪)がいたずらっぽい表情を浮かべて言う。
「誰かが狼煙をあげなければ民衆は目覚めない。眠れる大地もな」
デューイがそれを容認していた(…指示していた)のに気付くドミニク。
「は…」
ショックを受けている。
「ふふん」
そんなドミニクを見て鼻で笑うアネモネ
○月光号内格納庫。
相変わらず寄り添っているレントンとエウレカ。
レントンがエウレカに聞いてる。
「グレイトウォールの先に何があるの?」
そんな問いかけに答えるエウレカ。
「知らない。でもひとつだけ知っている言葉があるわ」
エウレカの方を向き、聞くレントン。
「何?」
にこっと笑って言うエウレカ。
「未来」
不思議そうな表情をするレントンにエウレカは言葉を続ける。
「グレイトウォールの先にはそれがあるの」
訳がわからないといった感じで視線をそらすレントン。
「アドロックが言ってたわ」
その言葉を聞いた途端目を見開き、エウレカを見つめるレントン。
「父さんがっ?」
驚いて問いただす。
「うん」
さっきと同じく笑みを浮かべたまま頷くエウレカ。
そんなエウレカとは対照的なレントン。
「(驚きの表情)…っ!(エウレカに顔を近づけたであろうアップ) 父さんの事、知ってんの?」
(レントンとエウレカの声で)つづく
■BパートEnd
■次回予告
『変化する時代のうねりの中で少年は父親の真実を知る。過去の物語は少年と少女をどんな絆で結ぶのか。 次回デイト・オブ・バース』
■第37話 レイズ・ユア・ハンドEnd
by hk-club
| 2006-01-13 23:59
| エウレカセブン【台詞起こし】