2006年 01月 07日
■第01話 ブルーマンデー (台詞起こし:Aパート) |
■遅れちゃいました。
もう明日には第37話ですから、当然そっちを優先します。…多分、第1話のBパートのUPは第37話の台詞起こし完成後でしょう。
■第01話 ブルーマンデーStart
○夕焼けの空。
語るストナー。
『なあ聞いてるか』
いい加減に答えるマシュー。
『何がだよ』
それを気にもせずに淡々と語るストナー。
『だからな、音楽とか映画とかって、その中身がって言うよりも、(画面右上の方から光の筋が入ってくる)その時の記憶って言うかさ、その時の人と人との関係を思い出す事が多いだろ』
ライディングしている606。
『あのさ、黙っててくんねえ、集中出来ねえから』
うんざりした声で言うマシュー。
画面には光ってる606のコンパクドライブ。
『何だよ、これから良い事言おうと思ってたのに』
呆れ顔のマシュー、ストナーに言う。
「お前も仕事に集中しろよ。(下を視認するように覗き込んで)なぁ、リーダ、まだ上れねえのかよ」
マシューの問い掛けに無線から聞こえてくるホランドの声。
『うっせーな、もうすぐだっ。(606のマシューが覗き見る景色。戦いの光が見えている)目の前に大きな波が来てる。エンゲージまで後25秒』
覗きこむマシュー。
「おー、やってるやってる。(後部座席に目をやって)おい、ストナー。そろそろだぞ」
カメラにフィルムをセットしながら話すストナー。
「そう、つまり記憶というものは決してそれ単体で存在せず、それを取り巻く環境に支配されているという訳だ。(セットし終わり構える)誰の言葉か知ってるか、マシュー」
「(呆れ声のマシュー)知らねえーよ」
カメラを構えるストナーアップ。
「まったく学がねえなぁ、(画面、ファインダー内)俺の言葉だよ」
下から敵機を引き連れて急上昇してくる909。606はそれらの風圧によろめく。
それを建て直すマシュー、
「んーー、くそうっ! いいもん拝ませてもらうぜ」
909を追いかける軍のKLF3機、ミサイルを放つ。それを巧みなライディングでかわしていくホランド。それを見て感心して言うマシューに憎まれ口を叩くストナー。
『ひえー、乗り乗りじゃねえの』
『浮れ過ぎてるとLFOの電池切れちまうぜ、ホランド』
909のコクピットに座るホランド、それらに答える。
「あーっ? うっせーなお前ら。それくらいわかってんだよっ!」
909でカットバックドロップターンを決めてすれ違いざまに1機のKLFをナイフで切り裂いていく。それにより逃げていく残り2機のKLF。
その戦いを見て言うマシューとストナー。
「流石」とマシュー。
「カットバックドロップターン、か」はストナー。
直ちに報告を入れるマシュー。
「こちらマシュー、606。(画面、逃げていくKLF)敵機の撤退を確認」
無線から聞こえてくるタルホの声。
『こちら月光号、了解。(画面、ライディングする909、606)ニルヴァーシュは予定通りポイントE62を通過。作戦続行中』
「606、了解」
すぐに確認の返事を入れるマシューに、入れないホランド。それに対してタルホの声。
『909。ホランド、返事はっ?』
嫌そうな声のホランド。
『…行きたくねえ』
嫌そうな顔のホランド。
『(それを聞き怒った顔のモニタに映るタルホ)はぁ? 何言ってんのよ。あんたが突然ベルフォレストに行くって言うから、みんなついてきてんじゃない』
後ポケットから写真を手にし、見るホランド。その写真は数年前のアクセル、レントン、ダイアン(顔がマジックで塗りつぶされている)の3人が写っている。
「へいへい、行きますよ行きますともっ!…まったく、何て月曜日だ…」
夕日の中、ベルフォレストの塔の方に向かって飛んでいく2機のLFO。
■タイトル:第01話 ブルーマンデー Blue Monday
■AパートStart
○レントンの部屋。
家族写真があったり、タルホのピンナップや、リフしてるホランドのポスタ、ゲッコーステイトのメンバ写真とかが、多数貼ってある。雑誌等は床に積み上げられている。
『ベルフォレスト西、南の風、風力3、トランサパランス・ライト・パーティクル36、後(のち)56。ベルフォレスト北、東南の風、風力1、トランサパランス・ライト・パーティクル11後(のち)20…』
「来たーっ!」
寝転んでラジオの天気予報を聞いていたレントン、喜んだ顔で起き上がって自分の部屋(2階)から飛び出していく。バイクにボードをセットし、バイクのエンジンをかける。
『僕が生まれてから14年が過ぎた。もう14年だ。(ガレージ前でバイクにまたがるレントン)生まれてから14年も経つのに、僕の周りでは何も起こらず、(自分のコンパクドライブを見るレントン、お尻のポケットに入れる)かと言って何かが起こる気配すら感じられないというそんな最悪の人生だ』
バイクでリフスポットへ走っていく。
シーンに被る台詞。
「だからお前には無理だって」
○リフスポット。
「んな事言うなよ。前途有望な若人にさぁ」
ボードを直すおっちゃんの向かえ側で、くさるレントン。おっちゃんは手を動かしながら話す。
「何度も言ってんだろ。レントンっ、おめえ、波を信じてねえだろ。(走ってボードに乗るレントン)波を信じてないから上手く乗れねえんだ。(しかし、すぐに落ちてしまうレントン)そんなんじゃいつまで経っても、カットバックドロップターンなんて無理無理」
ホイルを絞めなおすおっちゃん、それに言うレントン。
「だけど、ホランドは14の時にはカットバックドロップターン決めたって言うじゃん。俺にだってさぁ」
「ああ、ホランドなあ…。(車にはホランドのポスタに、ray=outが吊るされている)無駄無駄、だってあいつは天才だぜ。俺達とは違うんだよ。(それを見つめるレントン)それに、あいつはノースシュア生まれだ。育った環境が違うよ」
むっとして言うレントン。
「でも、よくホランドが言ってんじゃんか。産まれた所は関係無い。(レントンがいつもリフをするスポット全景)本当に必要なスポットはいつもそいつの目の前にあるって。(スポットの丘?を見上げるレントン後姿)俺はこのスポットで大きくなる。(レントン横顔バストアップ)大きくなって、いつかホランドみたいにLFOでカットバックドロップターン決めるんだ」
「はいよ。お代はサービスだ」
ボードを差し出されるレントン。
「いいのかよウーノのおっちゃん」
「餞別だ」
「餞別?」
意味がわからずきょとんとして問い返すレントン。
「おれ引っ越すから」
「ど、ど、どこに?」
ようやく事の重大さに気付き、慌てだす。何言ってんだ、といった顔のおっちゃん。
「もっと波の来る塔の街にだよ。なんせ、ここじゃ商売あがったりだからな。客もお前1人だし、そのおめえも見るだけで買わねえし、な」
呆けた顔のレントン、
「最悪だ…」
手にしてたボードを落とす。
○パイルバンカーを打ち込む絵
○ベルフォレスト街中
上空からの俯瞰。路面電車が走ってる。
『そう、この街は最悪だ。最悪を絵に描いた様な、どうしようもない街なのだ。(路地裏でゴミを漁るカラス、その向こうをバイクで走っていくレントン)リフをしたくても、ろくな波は来ないし、(左から路面電車、右からレントンのバイク、すれ違う)まともに生きるには軍人になるしかないんだ。(バイクを走らせるレントンのアップ)かと言って、僕はこの街を出る術を知らない。(前方にベルフォレストの中心地、その方向にバイクで向かっていくレントン)知るには若すぎる。だって僕はまだ14年間しか生きていない。だからここにいるしかないんだ、この最悪の街に』
○パイルバンカーを打ち込む絵
○学校。
校舎全景。そこに先生の声IN。
「その際に引き起こされた空に満ちたトランサパランス・ライト・パーティクル、」
教室内。
黒板には、近代史 「サマー・オブ・ラブ」
-----------
|サマー・オブ・ラブ| ← アドロック・サーストン
----------- 阻止
等、書かれている。
「すなわちトラパーの大量発生によるコンパクドライブの暴走、およびその物理的被害による世界の混乱、それが世に言う、(教科書を手に、話す先生のバストアップ)『サマー・オブ・ラブ』であります」
教室内で話を聞く生徒達。授業を続ける先生。
「そうした大災害を命に変えて阻止したのが、(画面が教室内のレントンの方へパンしていき)我が国が生み出した伝説の人物、(レントンの教科書、開かれたページは『7 「グレート・ウォール」に消えた英雄』。落書きがされている)アドロック・サーストンであり(しかし教科書でなく机の引き出しから隠し見てるray=out)、え~、そしてその英雄であるアドロックの息子であるのが、(笑いながら本を見てるレントン)そう、我がクラスの一員のレントン君なのです」
一斉にレントンに注目が集まる。
「最悪だ…」
げーっといった顔のレントン。その時、外で爆発。驚くレントン他、クラスメイト。
校庭に土煙をあげながら現れるスカブ。
窓からそれを見る皆。先生が叫ぶように言う。
「自習です!先生たちはスカブの処理に向かいます!みなさんは外に出ないように!」
窓辺、レントンの左にいたクラスメイトが眉を顰めながら言う。
「本当のところさ、見た奴いんのかよ!お前の親父が世界を救ったとこをさぁ」
右の眼鏡ブタのクラスメイト、馬鹿にするように言う。
「お前の姉ちゃん、それを証明するって言って家出したんだろぉ? コンパクドライブにお告げが来たってさっ!」
両手を握り締めながら耐えるレントン。しかし、
「イヒヒヒヒヒ…」
「ひっひひひひ…」
と続く笑い声に、我慢の限界が来て振り向き、殴りかかる。
○学校屋上
1人手すりにもたれて外を見てるレントン。屋上にいる女の子達の声が聞こえてくる。
「ねえねえ、見た見た?今月のray=out!」
「見た見た!17号でしょ?タルホさん超綺麗だよねぇ」
コンパクドライブを手に座り込むレントン(顔は喧嘩した痕でか汚れている)、それをじっと見つめる。
「でもさぁ、ゲッコーステイトって本当は犯罪組織なんでしょぉ?(レントンが声に反応して女の子の方を驚いてみる)」
そこにいたのは同じクラスの女の子3人組(リボン、チビ眼鏡、ノッポ眼鏡)。
そんな事はお構い無しに話を続けるノッポ眼鏡。
チビ眼鏡が手にしているのはホランドが表紙のray=out17号。
「あいつらは本当は人殺しで、ろくでもない人間なんだから信用しちゃ駄目だってママが言ってたもん」
「えーっ!? 本当に!? 信じらんなぁいよ」
手にしたコンパクドライブを見つめ、むすっとした顔のレントン。
そこに姉ダイアンの声が被る。
『…覚えておいてレントン。』
○回想シーン:ベルフォレスト郊外
姉ダイアンと歩く、幼い日のレントン。ダイアンはトランクを手にしている。
『信じていればきっとまた会える』
『ホントに?』
『ホントに。ホントに信じることができたら、信じる力は現実になるから。(歩くダイアン、レントン。レントン視線で見たダイアン…首から下。ダイアン目線で見たレントン)そしたらレントンはきっと空も飛べるし、(立ち止まりしゃがんでレントンに向かうダイアン)大事な人も助けられるし、それに私にもいつでも会える。だから、私を信じて(レントンが手にしたコンパクドライブが光出す)私を信じて…、(抱きしめられてうっとり顔のレントン、アップ)いい子でいるのよ』
『うん。お姉ちゃん…』
○学校屋上
(うっとり顔の現在のレントン)
「あ?」
妙な視線に気付くレントン、ふと見ると女の子3人組がじっと見ている。
「なんかレントンってきもくない?」
リボンが言う。
げんなり顔のレントン。それにお構いなく話す女の子達。
「コンパクドライブ見ながらニヤニヤしてさぁ…」
「ねぇ」
ぽそっと、レントン。
「最悪だ…」
パイルバンカーを打ち付ける絵と音。
○自転車(バイク)置き場。
バイクを押しながら歩くレントン。
校門へと続く下り坂上、
「ん?」
坂下の校門に立つ人物に気付く。
「なに帰ろうとしとる」
それはアクセル・サーストン。
「じっちゃん…」
そう、レントンのおじいさんであった。
これに被る先生の声。
「非常に申し上げづらいのですが、」
○進路指導室(か教室)
「今のレントン君の成績では軍学校はおろか、高校への進学も…」
「構いません」
手前に座る先生(後姿)、奥にアクセルじいちゃんと、うなだれたレントンが座っている。
「ですが、(汗を拭く先生のバストアップ)軍の英雄であられるアドロック氏のご子息であるのなら…」
テーブルを叩くアクセル。驚いてみるレントン。
アクセルの眼鏡が夕日を反射し、表情を読み取れない。
「構わんのです!私はこの子に私の跡を継がせます!(アクセルのアップ)これ以上私の家から軍人を出すつもりは無いっ!」
○ファミリーレストラン内
テーブルに置かれたハンバーグステーキデラックス(目玉焼きが乗って、エビフライが2本ついてるんです、デラックスでしょう?)。
「すっげー!(ホークとナイフを手ににっこりレントン)いいのかよ、じっちゃん!?いっただっきまーす(アクセルの顔を見る)」
(ため息をつく)アクセル、目頭を押さえて、
「なんでこうなったのかの…。わしゃ、お前の死んだ母親になんと説明すりゃいいのか…」
と呟く。レントン、食べるに食べれず。
「最悪だ…」
○ベルフォレスト郊外の道。
バイクにのるレントン。
『そんな最悪な町の、最悪な人生だけど、波さえくれば全部オッケー!リフさえできれば問題なし。(トンネルに入る)だから姉さん、俺は大丈夫!(トンネル内で道を照らすライト。向こうに出口の光)俺にはリフがある!リフさえあれば…どこであろうと最高なんだ!』
○リフスポット。
そこに起きる爆発。
目を見開き驚くレントン。
「かーっ…」
そこは塔州連邦空軍の演習所になっており、フェンスで入れなくなっている。
フェンスに「WARNING RESTRICTED AREA 塔州連邦空軍 国有地につき関係者以外の無断立ち入りを禁止する。」の看板。
「そんな…、俺のスポットが!」
煙が晴れてKLF(モンスーノ)が出てくる。
それを見て驚くレントン。
「っ! 軍のLFO…。くそう」
金網に手をつき、涙目鼻水たらしたレントン、歯を噛み締めている。「
こんな、こんな…、こんな町は…、(空を仰ぎ見るレントン)最悪だーーーー!!!」
ベルフォレスト郊外の全景。また爆発の煙が上がる。
○サーストン工場
レントンの自室。ホランドのリフしているポスタ。
『確かにホランドは犯罪者なのかもしれない。(ベッドに座り見つめるレントン正面)でも俺はそんなホランドが羨ましい(ホランドのポスタを見つめるレントンの部屋の他の壁にはタルホの色っぽいピンナップが貼ってある)。仲間と共に自由に世界を駆け巡り、波だけを追い求めているホランドが…。(ごろんと寝転ぶレントン)俺も自由に生きたい。(ベッドにあったノートに落書きするレントン)自由に生きてホランドみたいにリフのプロになりたい。そして、そして、そしていつか俺は、ゲッコーステイトのメンバーになるんだ!!』
ピッ!と音と共にコンパクドライブが光りだす。
「あ? なんだよまたエウレカかぁ…。今月はもう3回目」
(コンパクドライブに『EUREKA』の文字が浮かび上がっている)
「えへへー! これなんなんだろう?(ベッドの上を転げ回るレントン)俺のところだけ来るんだよな。(ベッドの上を転げ回るレントン)軍の暗証番号だったりすんのかなぁ。(ベッドの上を転げ回るレントン)あ、もしかしてゲッコーステイトの暗号だったりして!! (枕に頭をつけて)だったらいいなー…。この通信を受け取ったものは、ゲッコーステイトのメンバーになれる、なーんて…。ん?」
ふと気付くと、アクセルが、はしご階段から上半身を出して見ている。
「なにやっとる」
慌てて、コンパクドライブをおなかに隠すレントン。
「な、なんだよ。勝手に入ってくんなって、いつもいってんだろ?」
部屋に入るアクセル、横目でじろっと見る。
「ったく! ガラクタばかり増やしおって!」
ベッドから飛び起きるレントン。
「いいんだよ! 関係ないだろ!」
そんなレントンの方を見つめて、
「関係ある!整理整頓もろくにできんやつは、立派なメカニックにはなれん!」
と言い切る。
その言葉に反抗するレントン。
「ちょっと待て、 俺がいつメカニックになるって言った!?」
そんな言葉など何処吹く風のアクセル、しれっと言う。
「前から決まっとる」
「勝手に決めんな!」
興奮して言うレントン、だが、アクセルに、
「じゃあ他に何がある!!」
「あっ!」
と問われると、何も言い返せない。
「いいかレントン、(レントンの落書き)お前が何に憧れてもかまわん。(ホランドのポスタ)板切れに乗るのもいいが、だがなぁ、(目を逸らすレントン)現実を見ろ。(アドロックの写真)…お前の親父が死んで英雄になったところで、(同じくアクセル、レントンと一緒に映るダイアンの写真…その顔は隠れて見えないが)ダイアンが夢を追っかけて家を出たところで、(腕組みをして話すアクセル)この世界は何も変わっちゃおらん。(レントンに背を向ける)夢や理想なんつう物を信じる奴がバカだ!」
目をぱっと見開くレントン。
「!! わかったよ…」
振り向くアクセル。
「あ?」
手を握り締め俯いて立つレントン。
「どうせじっちゃん、俺がやりたい事なんかよりも自分の老後の方が心配なんだろ?(顔を上げて叫ぶように言う)…安心しろよ!俺がたんまり稼いで老人ホームにいれてやっからよ!!!」
すぐには声にならないアクセル。
「ふごご…ふごご…ぐぐぐ…んんん… なんじゃとー!」
○謎のLFOのコクピット内。
乗っている人物は不明。
「くっ…」
空を飛んでいる(リフしている?)様子。
操縦者の足元から首下まで映る。…女性?
○レントンの家
「ぐー!」
怒りで両手を振り上げ叫びだすアクセル。リフボードを指差し、
「こいつか!こいつがお前をたぶらかしたんか!!」
言うなり、ボードを掴み部屋から駆け出す。
「どあー!」と驚きの声を上げるレントン。
ガレージから飛び出してくるアクセル。
「じじい、てめえなにしやがる!(追いかけて出てくるレントン)そいつはホランドレプリカで、レア物なんだぞ!」
その時、急に突風が吹き荒れる。
「はあ…」
立ち止まるアクセル。空を見上げてる。
「え?」
見上げるレントン。
サーストン工場上空にライディングしてるLFO。
「LFO?…?」
しかし不安定なライディングで工場向こうに行ってしまう。
が、上昇してターンして戻ってくるLFO。
「カットバック・ドロップ・ターン?(にこっとしたレントンの顔アップ)まさかホランド?(でも何か疑問が浮かんだように顔をしかめるレントン)…あ?」
「なんだぁ?」
遂にはレントンの部屋がある建物に墜落するニルヴァーシュ。
「わぁぁぁぁっ!!」
その墜落の衝撃で飛ばされるアクセル、レントン。
物凄い煙が上がる。LFOのボードが舞い上がり、地面に刺さる。
「…っつ!」
転がるアクセル、レントン。
「俺の部屋!」
ようやく身を起こして、その方向を見るレントンとアクセル。
「…ちょっと待って。…なんだこれ?」
煙の中から現れるLFOのアップ。
「なんなんだ?このLFO」
立ち上がったレントン言う。
「…俺、こんなの見た事ない」
「ニルヴァーシュ タイプ ゼロだ」
アクセルの答える声が聞こえる。
振り向いて聞くレントン。
「知ってんの?」
「ああ、これが史上最古のLFOだ。まさか、本物を見るはめになるとはな…」
再びLFOの方に振り向くレントン。
「これがニルヴァーシュ? あ…」
そのLFOのコックピットが開く。
中から出てきたのは少女。…黄緑のショート髪で紫色の瞳を持つ美少女。首のリングが印象的。月明かりの下、
「はぁ…」
見上げるレントン、口からため息(感嘆符?)が出る。
そんなレントンとは対照的にアクセルの表情は硬い。
「…ねぇ!この子、(LFO上から言うエウレカ)調子悪いみたいなの。だから、ちょっと見てくれない?」
そんなエウレカを見つめるレントン。ごくっとつばを飲み込み、笑顔で言う。
「…かわいい!」
■AパートEnd
■今回も当然あったりする言い訳(お約束)
電子テキスト化する時に、今回はDVDを使用、手順としてはまず台詞を聞き取り、それから画面を観て状況を記入する、という順序の作業を行っています。だから、TV放送時と多少の変化があるのかもしれません。
がそれでも、UP前のチェックで状況説明に脳内補完(個人的判断)を入れてる可能性がありますので念の為。但し、台詞はそのままです(…ただ、その台詞が100%正しいとはいえません)。
上記の事を理解した上で、台詞や状況説明等の「ここってこうじゃない?」というの突っ込みをお待ちしてます。
もう明日には第37話ですから、当然そっちを優先します。…多分、第1話のBパートのUPは第37話の台詞起こし完成後でしょう。
■第01話 ブルーマンデーStart
○夕焼けの空。
語るストナー。
『なあ聞いてるか』
いい加減に答えるマシュー。
『何がだよ』
それを気にもせずに淡々と語るストナー。
『だからな、音楽とか映画とかって、その中身がって言うよりも、(画面右上の方から光の筋が入ってくる)その時の記憶って言うかさ、その時の人と人との関係を思い出す事が多いだろ』
ライディングしている606。
『あのさ、黙っててくんねえ、集中出来ねえから』
うんざりした声で言うマシュー。
画面には光ってる606のコンパクドライブ。
『何だよ、これから良い事言おうと思ってたのに』
呆れ顔のマシュー、ストナーに言う。
「お前も仕事に集中しろよ。(下を視認するように覗き込んで)なぁ、リーダ、まだ上れねえのかよ」
マシューの問い掛けに無線から聞こえてくるホランドの声。
『うっせーな、もうすぐだっ。(606のマシューが覗き見る景色。戦いの光が見えている)目の前に大きな波が来てる。エンゲージまで後25秒』
覗きこむマシュー。
「おー、やってるやってる。(後部座席に目をやって)おい、ストナー。そろそろだぞ」
カメラにフィルムをセットしながら話すストナー。
「そう、つまり記憶というものは決してそれ単体で存在せず、それを取り巻く環境に支配されているという訳だ。(セットし終わり構える)誰の言葉か知ってるか、マシュー」
「(呆れ声のマシュー)知らねえーよ」
カメラを構えるストナーアップ。
「まったく学がねえなぁ、(画面、ファインダー内)俺の言葉だよ」
下から敵機を引き連れて急上昇してくる909。606はそれらの風圧によろめく。
それを建て直すマシュー、
「んーー、くそうっ! いいもん拝ませてもらうぜ」
909を追いかける軍のKLF3機、ミサイルを放つ。それを巧みなライディングでかわしていくホランド。それを見て感心して言うマシューに憎まれ口を叩くストナー。
『ひえー、乗り乗りじゃねえの』
『浮れ過ぎてるとLFOの電池切れちまうぜ、ホランド』
909のコクピットに座るホランド、それらに答える。
「あーっ? うっせーなお前ら。それくらいわかってんだよっ!」
909でカットバックドロップターンを決めてすれ違いざまに1機のKLFをナイフで切り裂いていく。それにより逃げていく残り2機のKLF。
その戦いを見て言うマシューとストナー。
「流石」とマシュー。
「カットバックドロップターン、か」はストナー。
直ちに報告を入れるマシュー。
「こちらマシュー、606。(画面、逃げていくKLF)敵機の撤退を確認」
無線から聞こえてくるタルホの声。
『こちら月光号、了解。(画面、ライディングする909、606)ニルヴァーシュは予定通りポイントE62を通過。作戦続行中』
「606、了解」
すぐに確認の返事を入れるマシューに、入れないホランド。それに対してタルホの声。
『909。ホランド、返事はっ?』
嫌そうな声のホランド。
『…行きたくねえ』
嫌そうな顔のホランド。
『(それを聞き怒った顔のモニタに映るタルホ)はぁ? 何言ってんのよ。あんたが突然ベルフォレストに行くって言うから、みんなついてきてんじゃない』
後ポケットから写真を手にし、見るホランド。その写真は数年前のアクセル、レントン、ダイアン(顔がマジックで塗りつぶされている)の3人が写っている。
「へいへい、行きますよ行きますともっ!…まったく、何て月曜日だ…」
夕日の中、ベルフォレストの塔の方に向かって飛んでいく2機のLFO。
■タイトル:第01話 ブルーマンデー Blue Monday
■AパートStart
○レントンの部屋。
家族写真があったり、タルホのピンナップや、リフしてるホランドのポスタ、ゲッコーステイトのメンバ写真とかが、多数貼ってある。雑誌等は床に積み上げられている。
『ベルフォレスト西、南の風、風力3、トランサパランス・ライト・パーティクル36、後(のち)56。ベルフォレスト北、東南の風、風力1、トランサパランス・ライト・パーティクル11後(のち)20…』
「来たーっ!」
寝転んでラジオの天気予報を聞いていたレントン、喜んだ顔で起き上がって自分の部屋(2階)から飛び出していく。バイクにボードをセットし、バイクのエンジンをかける。
『僕が生まれてから14年が過ぎた。もう14年だ。(ガレージ前でバイクにまたがるレントン)生まれてから14年も経つのに、僕の周りでは何も起こらず、(自分のコンパクドライブを見るレントン、お尻のポケットに入れる)かと言って何かが起こる気配すら感じられないというそんな最悪の人生だ』
バイクでリフスポットへ走っていく。
シーンに被る台詞。
「だからお前には無理だって」
○リフスポット。
「んな事言うなよ。前途有望な若人にさぁ」
ボードを直すおっちゃんの向かえ側で、くさるレントン。おっちゃんは手を動かしながら話す。
「何度も言ってんだろ。レントンっ、おめえ、波を信じてねえだろ。(走ってボードに乗るレントン)波を信じてないから上手く乗れねえんだ。(しかし、すぐに落ちてしまうレントン)そんなんじゃいつまで経っても、カットバックドロップターンなんて無理無理」
ホイルを絞めなおすおっちゃん、それに言うレントン。
「だけど、ホランドは14の時にはカットバックドロップターン決めたって言うじゃん。俺にだってさぁ」
「ああ、ホランドなあ…。(車にはホランドのポスタに、ray=outが吊るされている)無駄無駄、だってあいつは天才だぜ。俺達とは違うんだよ。(それを見つめるレントン)それに、あいつはノースシュア生まれだ。育った環境が違うよ」
むっとして言うレントン。
「でも、よくホランドが言ってんじゃんか。産まれた所は関係無い。(レントンがいつもリフをするスポット全景)本当に必要なスポットはいつもそいつの目の前にあるって。(スポットの丘?を見上げるレントン後姿)俺はこのスポットで大きくなる。(レントン横顔バストアップ)大きくなって、いつかホランドみたいにLFOでカットバックドロップターン決めるんだ」
「はいよ。お代はサービスだ」
ボードを差し出されるレントン。
「いいのかよウーノのおっちゃん」
「餞別だ」
「餞別?」
意味がわからずきょとんとして問い返すレントン。
「おれ引っ越すから」
「ど、ど、どこに?」
ようやく事の重大さに気付き、慌てだす。何言ってんだ、といった顔のおっちゃん。
「もっと波の来る塔の街にだよ。なんせ、ここじゃ商売あがったりだからな。客もお前1人だし、そのおめえも見るだけで買わねえし、な」
呆けた顔のレントン、
「最悪だ…」
手にしてたボードを落とす。
○パイルバンカーを打ち込む絵
○ベルフォレスト街中
上空からの俯瞰。路面電車が走ってる。
『そう、この街は最悪だ。最悪を絵に描いた様な、どうしようもない街なのだ。(路地裏でゴミを漁るカラス、その向こうをバイクで走っていくレントン)リフをしたくても、ろくな波は来ないし、(左から路面電車、右からレントンのバイク、すれ違う)まともに生きるには軍人になるしかないんだ。(バイクを走らせるレントンのアップ)かと言って、僕はこの街を出る術を知らない。(前方にベルフォレストの中心地、その方向にバイクで向かっていくレントン)知るには若すぎる。だって僕はまだ14年間しか生きていない。だからここにいるしかないんだ、この最悪の街に』
○パイルバンカーを打ち込む絵
○学校。
校舎全景。そこに先生の声IN。
「その際に引き起こされた空に満ちたトランサパランス・ライト・パーティクル、」
教室内。
黒板には、近代史 「サマー・オブ・ラブ」
-----------
|サマー・オブ・ラブ| ← アドロック・サーストン
----------- 阻止
等、書かれている。
「すなわちトラパーの大量発生によるコンパクドライブの暴走、およびその物理的被害による世界の混乱、それが世に言う、(教科書を手に、話す先生のバストアップ)『サマー・オブ・ラブ』であります」
教室内で話を聞く生徒達。授業を続ける先生。
「そうした大災害を命に変えて阻止したのが、(画面が教室内のレントンの方へパンしていき)我が国が生み出した伝説の人物、(レントンの教科書、開かれたページは『7 「グレート・ウォール」に消えた英雄』。落書きがされている)アドロック・サーストンであり(しかし教科書でなく机の引き出しから隠し見てるray=out)、え~、そしてその英雄であるアドロックの息子であるのが、(笑いながら本を見てるレントン)そう、我がクラスの一員のレントン君なのです」
一斉にレントンに注目が集まる。
「最悪だ…」
げーっといった顔のレントン。その時、外で爆発。驚くレントン他、クラスメイト。
校庭に土煙をあげながら現れるスカブ。
窓からそれを見る皆。先生が叫ぶように言う。
「自習です!先生たちはスカブの処理に向かいます!みなさんは外に出ないように!」
窓辺、レントンの左にいたクラスメイトが眉を顰めながら言う。
「本当のところさ、見た奴いんのかよ!お前の親父が世界を救ったとこをさぁ」
右の眼鏡ブタのクラスメイト、馬鹿にするように言う。
「お前の姉ちゃん、それを証明するって言って家出したんだろぉ? コンパクドライブにお告げが来たってさっ!」
両手を握り締めながら耐えるレントン。しかし、
「イヒヒヒヒヒ…」
「ひっひひひひ…」
と続く笑い声に、我慢の限界が来て振り向き、殴りかかる。
○学校屋上
1人手すりにもたれて外を見てるレントン。屋上にいる女の子達の声が聞こえてくる。
「ねえねえ、見た見た?今月のray=out!」
「見た見た!17号でしょ?タルホさん超綺麗だよねぇ」
コンパクドライブを手に座り込むレントン(顔は喧嘩した痕でか汚れている)、それをじっと見つめる。
「でもさぁ、ゲッコーステイトって本当は犯罪組織なんでしょぉ?(レントンが声に反応して女の子の方を驚いてみる)」
そこにいたのは同じクラスの女の子3人組(リボン、チビ眼鏡、ノッポ眼鏡)。
そんな事はお構い無しに話を続けるノッポ眼鏡。
チビ眼鏡が手にしているのはホランドが表紙のray=out17号。
「あいつらは本当は人殺しで、ろくでもない人間なんだから信用しちゃ駄目だってママが言ってたもん」
「えーっ!? 本当に!? 信じらんなぁいよ」
手にしたコンパクドライブを見つめ、むすっとした顔のレントン。
そこに姉ダイアンの声が被る。
『…覚えておいてレントン。』
○回想シーン:ベルフォレスト郊外
姉ダイアンと歩く、幼い日のレントン。ダイアンはトランクを手にしている。
『信じていればきっとまた会える』
『ホントに?』
『ホントに。ホントに信じることができたら、信じる力は現実になるから。(歩くダイアン、レントン。レントン視線で見たダイアン…首から下。ダイアン目線で見たレントン)そしたらレントンはきっと空も飛べるし、(立ち止まりしゃがんでレントンに向かうダイアン)大事な人も助けられるし、それに私にもいつでも会える。だから、私を信じて(レントンが手にしたコンパクドライブが光出す)私を信じて…、(抱きしめられてうっとり顔のレントン、アップ)いい子でいるのよ』
『うん。お姉ちゃん…』
○学校屋上
(うっとり顔の現在のレントン)
「あ?」
妙な視線に気付くレントン、ふと見ると女の子3人組がじっと見ている。
「なんかレントンってきもくない?」
リボンが言う。
げんなり顔のレントン。それにお構いなく話す女の子達。
「コンパクドライブ見ながらニヤニヤしてさぁ…」
「ねぇ」
ぽそっと、レントン。
「最悪だ…」
パイルバンカーを打ち付ける絵と音。
○自転車(バイク)置き場。
バイクを押しながら歩くレントン。
校門へと続く下り坂上、
「ん?」
坂下の校門に立つ人物に気付く。
「なに帰ろうとしとる」
それはアクセル・サーストン。
「じっちゃん…」
そう、レントンのおじいさんであった。
これに被る先生の声。
「非常に申し上げづらいのですが、」
○進路指導室(か教室)
「今のレントン君の成績では軍学校はおろか、高校への進学も…」
「構いません」
手前に座る先生(後姿)、奥にアクセルじいちゃんと、うなだれたレントンが座っている。
「ですが、(汗を拭く先生のバストアップ)軍の英雄であられるアドロック氏のご子息であるのなら…」
テーブルを叩くアクセル。驚いてみるレントン。
アクセルの眼鏡が夕日を反射し、表情を読み取れない。
「構わんのです!私はこの子に私の跡を継がせます!(アクセルのアップ)これ以上私の家から軍人を出すつもりは無いっ!」
○ファミリーレストラン内
テーブルに置かれたハンバーグステーキデラックス(目玉焼きが乗って、エビフライが2本ついてるんです、デラックスでしょう?)。
「すっげー!(ホークとナイフを手ににっこりレントン)いいのかよ、じっちゃん!?いっただっきまーす(アクセルの顔を見る)」
(ため息をつく)アクセル、目頭を押さえて、
「なんでこうなったのかの…。わしゃ、お前の死んだ母親になんと説明すりゃいいのか…」
と呟く。レントン、食べるに食べれず。
「最悪だ…」
○ベルフォレスト郊外の道。
バイクにのるレントン。
『そんな最悪な町の、最悪な人生だけど、波さえくれば全部オッケー!リフさえできれば問題なし。(トンネルに入る)だから姉さん、俺は大丈夫!(トンネル内で道を照らすライト。向こうに出口の光)俺にはリフがある!リフさえあれば…どこであろうと最高なんだ!』
○リフスポット。
そこに起きる爆発。
目を見開き驚くレントン。
「かーっ…」
そこは塔州連邦空軍の演習所になっており、フェンスで入れなくなっている。
フェンスに「WARNING RESTRICTED AREA 塔州連邦空軍 国有地につき関係者以外の無断立ち入りを禁止する。」の看板。
「そんな…、俺のスポットが!」
煙が晴れてKLF(モンスーノ)が出てくる。
それを見て驚くレントン。
「っ! 軍のLFO…。くそう」
金網に手をつき、涙目鼻水たらしたレントン、歯を噛み締めている。「
こんな、こんな…、こんな町は…、(空を仰ぎ見るレントン)最悪だーーーー!!!」
ベルフォレスト郊外の全景。また爆発の煙が上がる。
○サーストン工場
レントンの自室。ホランドのリフしているポスタ。
『確かにホランドは犯罪者なのかもしれない。(ベッドに座り見つめるレントン正面)でも俺はそんなホランドが羨ましい(ホランドのポスタを見つめるレントンの部屋の他の壁にはタルホの色っぽいピンナップが貼ってある)。仲間と共に自由に世界を駆け巡り、波だけを追い求めているホランドが…。(ごろんと寝転ぶレントン)俺も自由に生きたい。(ベッドにあったノートに落書きするレントン)自由に生きてホランドみたいにリフのプロになりたい。そして、そして、そしていつか俺は、ゲッコーステイトのメンバーになるんだ!!』
ピッ!と音と共にコンパクドライブが光りだす。
「あ? なんだよまたエウレカかぁ…。今月はもう3回目」
(コンパクドライブに『EUREKA』の文字が浮かび上がっている)
「えへへー! これなんなんだろう?(ベッドの上を転げ回るレントン)俺のところだけ来るんだよな。(ベッドの上を転げ回るレントン)軍の暗証番号だったりすんのかなぁ。(ベッドの上を転げ回るレントン)あ、もしかしてゲッコーステイトの暗号だったりして!! (枕に頭をつけて)だったらいいなー…。この通信を受け取ったものは、ゲッコーステイトのメンバーになれる、なーんて…。ん?」
ふと気付くと、アクセルが、はしご階段から上半身を出して見ている。
「なにやっとる」
慌てて、コンパクドライブをおなかに隠すレントン。
「な、なんだよ。勝手に入ってくんなって、いつもいってんだろ?」
部屋に入るアクセル、横目でじろっと見る。
「ったく! ガラクタばかり増やしおって!」
ベッドから飛び起きるレントン。
「いいんだよ! 関係ないだろ!」
そんなレントンの方を見つめて、
「関係ある!整理整頓もろくにできんやつは、立派なメカニックにはなれん!」
と言い切る。
その言葉に反抗するレントン。
「ちょっと待て、 俺がいつメカニックになるって言った!?」
そんな言葉など何処吹く風のアクセル、しれっと言う。
「前から決まっとる」
「勝手に決めんな!」
興奮して言うレントン、だが、アクセルに、
「じゃあ他に何がある!!」
「あっ!」
と問われると、何も言い返せない。
「いいかレントン、(レントンの落書き)お前が何に憧れてもかまわん。(ホランドのポスタ)板切れに乗るのもいいが、だがなぁ、(目を逸らすレントン)現実を見ろ。(アドロックの写真)…お前の親父が死んで英雄になったところで、(同じくアクセル、レントンと一緒に映るダイアンの写真…その顔は隠れて見えないが)ダイアンが夢を追っかけて家を出たところで、(腕組みをして話すアクセル)この世界は何も変わっちゃおらん。(レントンに背を向ける)夢や理想なんつう物を信じる奴がバカだ!」
目をぱっと見開くレントン。
「!! わかったよ…」
振り向くアクセル。
「あ?」
手を握り締め俯いて立つレントン。
「どうせじっちゃん、俺がやりたい事なんかよりも自分の老後の方が心配なんだろ?(顔を上げて叫ぶように言う)…安心しろよ!俺がたんまり稼いで老人ホームにいれてやっからよ!!!」
すぐには声にならないアクセル。
「ふごご…ふごご…ぐぐぐ…んんん… なんじゃとー!」
○謎のLFOのコクピット内。
乗っている人物は不明。
「くっ…」
空を飛んでいる(リフしている?)様子。
操縦者の足元から首下まで映る。…女性?
○レントンの家
「ぐー!」
怒りで両手を振り上げ叫びだすアクセル。リフボードを指差し、
「こいつか!こいつがお前をたぶらかしたんか!!」
言うなり、ボードを掴み部屋から駆け出す。
「どあー!」と驚きの声を上げるレントン。
ガレージから飛び出してくるアクセル。
「じじい、てめえなにしやがる!(追いかけて出てくるレントン)そいつはホランドレプリカで、レア物なんだぞ!」
その時、急に突風が吹き荒れる。
「はあ…」
立ち止まるアクセル。空を見上げてる。
「え?」
見上げるレントン。
サーストン工場上空にライディングしてるLFO。
「LFO?…?」
しかし不安定なライディングで工場向こうに行ってしまう。
が、上昇してターンして戻ってくるLFO。
「カットバック・ドロップ・ターン?(にこっとしたレントンの顔アップ)まさかホランド?(でも何か疑問が浮かんだように顔をしかめるレントン)…あ?」
「なんだぁ?」
遂にはレントンの部屋がある建物に墜落するニルヴァーシュ。
「わぁぁぁぁっ!!」
その墜落の衝撃で飛ばされるアクセル、レントン。
物凄い煙が上がる。LFOのボードが舞い上がり、地面に刺さる。
「…っつ!」
転がるアクセル、レントン。
「俺の部屋!」
ようやく身を起こして、その方向を見るレントンとアクセル。
「…ちょっと待って。…なんだこれ?」
煙の中から現れるLFOのアップ。
「なんなんだ?このLFO」
立ち上がったレントン言う。
「…俺、こんなの見た事ない」
「ニルヴァーシュ タイプ ゼロだ」
アクセルの答える声が聞こえる。
振り向いて聞くレントン。
「知ってんの?」
「ああ、これが史上最古のLFOだ。まさか、本物を見るはめになるとはな…」
再びLFOの方に振り向くレントン。
「これがニルヴァーシュ? あ…」
そのLFOのコックピットが開く。
中から出てきたのは少女。…黄緑のショート髪で紫色の瞳を持つ美少女。首のリングが印象的。月明かりの下、
「はぁ…」
見上げるレントン、口からため息(感嘆符?)が出る。
そんなレントンとは対照的にアクセルの表情は硬い。
「…ねぇ!この子、(LFO上から言うエウレカ)調子悪いみたいなの。だから、ちょっと見てくれない?」
そんなエウレカを見つめるレントン。ごくっとつばを飲み込み、笑顔で言う。
「…かわいい!」
■AパートEnd
■今回も当然あったりする言い訳(お約束)
電子テキスト化する時に、今回はDVDを使用、手順としてはまず台詞を聞き取り、それから画面を観て状況を記入する、という順序の作業を行っています。だから、TV放送時と多少の変化があるのかもしれません。
がそれでも、UP前のチェックで状況説明に脳内補完(個人的判断)を入れてる可能性がありますので念の為。但し、台詞はそのままです(…ただ、その台詞が100%正しいとはいえません)。
上記の事を理解した上で、台詞や状況説明等の「ここってこうじゃない?」というの突っ込みをお待ちしてます。
by hk-club
| 2006-01-07 09:13
| エウレカセブン【台詞起こし】