2007年 09月 03日
1.輝く喫茶店(その2) |
しかし、その女の子が自分の席に近付いてきた事も、礼は気付かなかった。その彼女に自分が見つめられている事にさえも。
結局、礼が気付いたのは、自分のいる席に立たれ、尚且つ声をかけられてからであった。
「やよい、れい…さん、ですね?」
「ええ」
突然の呼びかけに顔を上げ、その声を発した人物の容姿に驚きながらも一応、礼は変事した。そして、失礼にならない程度に、彼女の容姿をチェックしていった。
……肌がすごく綺麗、でも丸っきりの白人でもないみたい。髪はこれって銀髪って言うのかな。作り物みたい…けどもやっぱり綺麗だな。あら案外身長は低いのね。160cmぐらい?。でも出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでる、本当に絵に描いたような均整の取れたシルエットなのよね……。
礼がそうしている様に、彼女も(こちらはジロジロと)礼を見つめている。
店内にいる他の客は、息を潜めてこの成り行きを見つめているらしく、店内にはBGMだけが鳴り響いている。
礼の容姿をチェックするのに満足したのか、その女の子は沈黙を破り、
「弥生、礼さんですね」
と繰り返し、名前を尋ねる。
そして、かすかに頷く礼の姿を見て、さらに続けた。
「--論文を書き終えましたか?」
「卒業論文の事ならば、まだですが…」
おかしな事を聞くなぁと思いつつ、別に隠す程の事でもないので、礼は素直に答えた。
「今はまだ、資料を集めての準備を整えつつ、下書きの段階と言うところかしら」
「…そう……よかった…」
「でも、それが何か?」
礼の話を聞いて、女の子はお世辞にも上品とはいえない笑みを、その可愛い顔に浮かべた。
そしてどこからか取り出した銃を、礼へと向ける。
「どうやら、時は私に加担したみたいね……」
あまりに日常生活からかけ離れている目の前の出来事に、その場に居合わせた店内の客…どころか銃口を向けられた礼ですら理解出来ずに、ただ黙って女の子が持つ銃を見つめていた。
そして店内の人々が緊張する中、彼女は躊躇う事無く引き金を引いた。
その途端、辺り一面が真っ白な光に覆われて、目の前が瞬時にホワイト・アウトしていった。
☆
結局、礼が気付いたのは、自分のいる席に立たれ、尚且つ声をかけられてからであった。
「やよい、れい…さん、ですね?」
「ええ」
突然の呼びかけに顔を上げ、その声を発した人物の容姿に驚きながらも一応、礼は変事した。そして、失礼にならない程度に、彼女の容姿をチェックしていった。
……肌がすごく綺麗、でも丸っきりの白人でもないみたい。髪はこれって銀髪って言うのかな。作り物みたい…けどもやっぱり綺麗だな。あら案外身長は低いのね。160cmぐらい?。でも出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでる、本当に絵に描いたような均整の取れたシルエットなのよね……。
礼がそうしている様に、彼女も(こちらはジロジロと)礼を見つめている。
店内にいる他の客は、息を潜めてこの成り行きを見つめているらしく、店内にはBGMだけが鳴り響いている。
礼の容姿をチェックするのに満足したのか、その女の子は沈黙を破り、
「弥生、礼さんですね」
と繰り返し、名前を尋ねる。
そして、かすかに頷く礼の姿を見て、さらに続けた。
「--論文を書き終えましたか?」
「卒業論文の事ならば、まだですが…」
おかしな事を聞くなぁと思いつつ、別に隠す程の事でもないので、礼は素直に答えた。
「今はまだ、資料を集めての準備を整えつつ、下書きの段階と言うところかしら」
「…そう……よかった…」
「でも、それが何か?」
礼の話を聞いて、女の子はお世辞にも上品とはいえない笑みを、その可愛い顔に浮かべた。
そしてどこからか取り出した銃を、礼へと向ける。
「どうやら、時は私に加担したみたいね……」
あまりに日常生活からかけ離れている目の前の出来事に、その場に居合わせた店内の客…どころか銃口を向けられた礼ですら理解出来ずに、ただ黙って女の子が持つ銃を見つめていた。
そして店内の人々が緊張する中、彼女は躊躇う事無く引き金を引いた。
その途端、辺り一面が真っ白な光に覆われて、目の前が瞬時にホワイト・アウトしていった。
☆
by hk-club
| 2007-09-03 11:49
| A SUITOR