2005年 12月 26日
第36話 ファンタジア (台詞起こし:Aパート) |
2005年12月28日 台詞先行版
2006年1月2日 状況説明補完版
2006年1月2日 修正版(yasuさん、大感謝です)
■年末進行の為
まずは台詞先行版をUPします。状況描写は不完全な上に、脳内補完がばしばし入ってます。…ので、今回は台詞のみに注目してくださいませ(…今週中に状況描写を付け加えた形にしますので)。
年をまたぎましたが状況説明を付け加えた完全版として修正しました。
■第36話 ファンタジア Start
○軌道エレベータから首都キャピトルヒルへ。
そこにアゲハ隊Eの声が被る。
『オレンジ02号弾試射の際、THE ENDがTYPE ZERO 乙型と接触していた模様です』
○デューイ自室。
報告書を捲るデューイ。
「ご報告遅れまして」
報告に立つオレンジ隊E。
「君が気に病むことはない。状況が状況だった」
事も無げに言うデューイ。
「しかし奴ら、ヴォダラクの高僧など連れ去って一体どうしようと」
疑問をデューイに投げるアゲハ隊E、デューイはそれに対し答える。
「心配はいらん。奴らがやろうとしている事など見えすいている。月光号の目指す場所はひとつ。勿論、奴らが事を起こすより先にコーラリアンの中心核を見つけるのが最良だが、それには少々オレンジの着弾点を増やさねばならない」
報告書のホランドの写真に目をやりながら呟くデューイ。
「私は必要の無い血など流したくないのだが、お前がいけないのだよ…ホランド」
部屋に入ってくるアゲハ隊D。報告を行う。
「出航準備整いました。ご指示あり次第、直ちに出航出来ます」
アゲハ隊Eがデューイに問う。
「出頭命令は如何なされますか?」
口元に笑みを浮かべながら言うデューイ。
「彼等に伝えてもらえるかな。(画面:港に停泊する巨大戦艦)時が来れば必ず伺う。今しばらくお待ちいただきたいと」
色はオレンジ、どことなく禍々しい印象を受ける艦である。
○軌道エレベータから首都キャピトルヒルへ。
そこにオレンジ隊Eの声が被る。
『オレンジ2号弾試射の際、THE ENDがTYPE ZERO 乙型と接触していた模様です』
○デューイ自室。
報告書を捲るデューイ。
「ご報告遅れまして」
報告に立つオレンジ隊E。
「君が気に病むことはない。状況が状況だった」
事も無げに言うデューイ。
「しかし奴ら、ヴォダラクの高僧など連れ去って一体どうしようと」
疑問をデューイに投げるアゲハ隊E、デューイはそれに対し答える。
「心配はいらん。奴らがやろうとしている事など見えすいている。月光号の目指す場所はひとつ。勿論、奴らが事を起こすより先にコーラリアンの中心核を見つけるのが最良だが、それには少々オレンジの着弾点を増やさねばならない」
報告書のホランドの写真に目をやりながら呟くデューイ。
「私は必要の無い血など流したくないのだが、お前がいけないのだよ…ホランド」
部屋に入ってくるアゲハ隊D。報告を行う。
「出航準備整いました。ご指示あり次第、直ちに出航出来ます」
アゲハ隊Eがデューイに問う。
「出頭命令は如何なされますか?」
口元に笑みを浮かべながら言うデューイ。
「彼等に伝えてもらえるかな。(画面:港に停泊する巨大戦艦)時が来れば必ず伺う。今しばらくお待ちいただきたいと」
色はオレンジ、どことなく禍々しい印象を受ける艦である。
■タイトル:第36話 ファンタジア Fantasia
■AパートStart
○月光号内ホランド自室。
「でゅてぃてぃでゅてぃてぃ…と、んん。うんん。」
ソファに寝転び、鼻歌を混じりで、ピザに山盛りのマヨネーズをかけて食べるノルブ師。
そのソファの周りには食べたピザの容器や飲んだビールらしきものの缶が散乱している。
「レントンがエウレカの対なる者だ。それを認めたからあんたは俺達と共に月光号へ来た。そうだな?」
床に腰掛け、話すホランド。しかしノルブ師はピザを食べているだけ。
「駒は揃えた。次は…ニルヴァーシュか。エウレカとレントンがグレイトウォールを越えるにはどうすればいい?」
えんむえんむ…とひたすら食べるノルブ師。食べ終わって一言。
「おかわりーぃ」
横目で見るホランド、冷たく言い放つ。
「そいつで打ち止めだ」
「ええーん。うえん(と煙草を催促する手つき)」
それをみて、ホランド、
「俺は吸わねえ。ちなみにこの部屋は禁煙だ!」
とたたみかける。
「ちっ。取り敢えずヴォダラ宮まで送ってもらえると助かるねえ」
しかたがないから寝る、といった感じでねころびながら言うノルブ師。
「ヴォダラ宮…。あんたらの本山か」
問い返すホランド。しかし、
「くー」
と、即行でノルブ師は高鼾(いびき)。
「ん、ああっ」
呆れて部屋を出ようとするホランドに、
「あの2人、本心より惹かれあっているのか?」
寝ている筈のノルブ師が急に問う。
「っ!」
驚くホランドに、今までと違う真面目な口調で呟くノルブ師。
「なら急いだ方がいい」
立ち止まってノルブ師を見つめるホランド。
ノルブ師はまた、高鼾。
○月光号内格納庫。
ニルヴァーシュを磨くエウレカ。
「…あっ」
横に出来てる傷に気付く。そしてそこに自分の顔の傷が重なる。
落ちるスプレー缶。
それはエウレカが、スプレー缶を持っていた手で自分の顔の傷を触っていた為。
「おおーっ!」
そこに叫びながらやってくるレントン。
「可哀想にこんな傷」
ニルヴァーシュの傷を触って言う。
「えっ?」
その言葉に反応してしまうエウレカ。
「スペックアップしたばっかりだってのに」
自分のウエストポーチから塗料を取り出し、拭きつけて手当をするレントン。
眉を顰めるエウレカ。
「駄目なの?傷…」
自分の顔に残ってる傷を触りながら聞くエウレカ。でもレントンはそれに気付かずに、
「んー、戦闘で傷が付くのはしょうがないけど、でもやっぱ、綺麗な方がいいよね」
と言う。
「っ!」(驚くエウレカのアップ)
自分の顔に残ってる傷を触りながら、エウレカ後ずさりしていく。
レントンはひたすら傷の修復をしていて気付かない。
「…よし(満身の笑みを浮かべるレントン)、これで元通り。ほら、ニルヴァーシュだってとっても喜んでる。君にも聞こえるだろ?」
振り向くレントン。しかし、そこにエウレカの姿はない。
代わりに立っていたのが、パンツ一丁で桶を抱えたホランド。
「…? エウレカ?」
驚き、きょろきょろしてエウレカを探すレントンに、桶を鳴らして、
「たまには付き合わねえか」
と風呂に誘うホランド。
「え?」
肩をすくめるレントン。
○月光号内女子トイレ(かな?)。
鏡を見つめながら、傷の上の髪の毛を引っ張っているエウレカ。
がちゃっと扉の開く音。
「やっぱ気になる?」
そこに後ろから声。
「え?」
驚くエウレカの横にやってくるギジェット。
「コンシーラとファンデで隠せるよ」
「ファンデ?」
不思議そうに聞くエウレカ。
「ああー、エウレカ、メイクなんてしないか」
腕組みをし、エウレカのほうに向き直るギジェット。
「あっ?」
エウレカの顔をまじまじと見つめる。
「いいなー」
自分にとっては不思議だからか、素朴にギジェットに聞くエウレカ。
「どうしてメイクするの?」
エウレカの両肩に手を置き話しだすギジェット。
「ノーメイクなんて今更無理。(身体を起こして)それに綺麗になりたいじゃん。(ギジェットにっこりしながら)綺麗な方がドギー喜ぶし」
「ギジェットが綺麗になるとドギーは喜ぶの?」
ほよよーといった体で聞くエウレカ。そうなんだよと、うんうんと頷きながら語るギジェット。
「うん、メイクしなかったら全然態度違うんだよ、あいつ」
「レントンもニルヴァーシュが綺麗になったらすごく喜んでた」
なるほどと納得顔のエウレカ、先程のレントンを思い出して言う。それを聞いたギジェット、ため息混じりに、
「私LFOっすか」
と嘆く。
エウレカ、頬を赤らめた顔で話し出す。
「ギジェット…」
「ん?」
どうしたの?とギジェット。エウレカは意を決して言う。…その時、視線は逸らしたまま。
「あ、…私もメイクして綺麗になりたい」
「ウフ」
それを聞いたギジェットはにっこりと笑う。
○月光号内風呂場。
「レントン」
身体を洗うホランドと頭を洗うレントン。
「はい?」
「お前さ、ガキの頃、姉さんの靴隠して困らせた事あったろ」
「ん…」
頭を洗う手を止めて、ホランドの方を向くレントン。
○回想シーン
幼いレントンが赤い靴を持って逃げている。
「どうして」
「…ったく、記念すべき2人の初デート、邪魔すんなっつーの」
横目で睨むホランド。でもその目に怒りがあるわけではない。
「へ?」
きょとんとするレントン。
「お前の姉さんは、ダイアンは俺の初恋の人だ」
鏡に映るホランド。
「っ!」
ようやくピンとくるレントン。
○月光号内コンビニ。
買い物かごに次々に化粧品を詰め込むギジェット。
「んー、私の貸してあげられればいいんだけど、肌の色が合わないから…、おっ」
お目当てのファンデが見つかったのか、エウレカに対して、
「手、出して」
「ギジェット…」
「任せて」
実際に塗ってみてみるギジェット。
「んー、カバー力もあるし、結構いいかも」
「私、そんなにお金、持ってない…」
困った顔のエウレカ言うも、簡単に言い切るギジェット。
「レントンにつけとけばいいよ」
「つけ?」
驚いた顔のエウレカに、さも当たり前と話すギジェット。
「だってエウレカ、奴を喜ばせてあげるんでしょ」
「…喜んでくれるかな?」
心配気なエウレカに笑い頷くギジェット。その笑顔にエウレカも不安を解消されたのか、2人であれこれと化粧品を漁って、買い物かごにほうりこんでいく。
このシーンにホランドの語りが被る。
『まだお前が生まれる前だな、俺が12の頃だ』
○月光号内風呂場。
話すホランドを見つめるレントン。
「初めてダイアンと出会ったのはボルナタの軍管轄地、アドロックのおかげで俺達は自由に出入りできた」
○回想シーン:ボルナタの軍管轄地
ボード片手に草原を走っていく若き日の少年ホランド。
『その丘にはいつだってご機嫌な波が吹いてた。時間があればその秘密のスポットで腕を磨いた。俺達の他には誰もいない筈だった』
ボードに飛び乗り、リフしだす。
カットバックドロップターンを決めようとするその時、
「はぁ」
突風が吹き、
「うわぁあー!」
ホランドは上空でバランスを崩し、落ちて行く。
草むらに寝転ぶホランド。
「…ってえ」
ソコにやってくる人影。
「大丈夫?」
寝転ぶホランドを覗き込む少女、
「お兄ちゃん」
手を伸ばし、傷を触りながら、聞く。
「痛いの、おでこ?」
そしてそのまま、傷口にキスをする少女。
「あ、あ、何するんだよ」
その行為に驚き、慌てて身を起こすホランドに少女は、
「お父さんがね、ダイアンが痛い時にしてくれるんだよ」
天然ボケな返答をする少女。
「お前、何処から入ったんだよ。邪魔だよ、どっか行けよっ」
恥ずかしくって、思わず少女を突き飛ばしそっぽを向くホランド。
突き飛ばされた少女は、ちょっと肩をすくめて、泣かずに立ち上がりその場から去っていく。
振り向いたホランドの目に、お父さんらしき人物の元へ駆け寄っていく少女の姿が映る。
『家の中に篭りっがちだったダイアンをアドロックがなだめすかして連れてきたってのが、後で聞いた話だ』
少女(ダイアン)に笑いかけるお父さん(アドロック)、その陰からホランドを覗く少女(ダイアン)。
○月光号内風呂場。
天井の窓から夜空を眺めながら話すホランド、聞くレントン。
「彼女がスポットに姿を見せたのは、後にも先にもそれっきり。嫌われたと思ってたんだよ、あの時までは」
○回想シーン:セブンズウェル現象
○回想シーン:軍施設
『軍はアドロックの死を発表した後も、彼の残した研究データや遺品を調査し続けた。全てが終わるまでには数年の時間が必要だった』
KEEP OUTのテープで入り口が塞がれている部屋の前で止まるホランド、
「誰かいるのか?」
中の人物に気付く。
「あっ!」
部屋の中には喪服を着た少女。振り向く。…それは成長したダイアン。
「っ、ダイアン!」
KEEP OUTのテープを破り部屋に入るホランド。興奮して話しかけるも、
「覚えてないか? ボルナタのリフスポットで一度だけ」
何も言わず視線を逸らすダイアンに我に返り、遺族が知りたいであろう事を告げる。
「…遺品なら司令部の方だ」
右手でテーブルを摩りながら話し出すダイアン。
「父はここで一体何を確かめようとしていたんでしょう?(ぐっと右手を握り締める) 私、父の事何も知らないんです。16年間も一緒に生きてきたのに…何も」
それを聞き、視線を逸らしながら後姿に話すホランド。
「アドロックの研究内容は軍の人間でも一部にしか開示されていない」
「そう」
扉の方へ歩みだしながら話すダイアン。
「どうすれば知る事が出来るのかしらね、(歩みを止めて)…ホランド」
「!」
名前を呼ばれたことに驚くホランド。
振り返りホランドを見つめて言うダイアン。
「覚えてるわ、あなたが波に乗る姿。とっても素敵だった」
思わず、ダイアンに近付くホランド、
「力になれる事があったら…あっ!」
話の途中でダイアンに手を握られ、言葉が途切れる。
「連絡して」
と、ホランドを見つめたまま言うダイアンに。口を開けたままのホランド。
○月光号内エウレカ自室。
テーブルの上の鏡に映るエウレカ。
「本当に大丈夫?」
心配そうな表情のギジェット、エウレカに問うも、
「あ。う、うん、自分でやってみたい」
の言葉に、
「じゃあ頑張れ!」
「うん」
と親指を立て励まして部屋を出て行く。
テーブルの上に並べた化粧品を見渡し、それからビューラを不安気にでも興味深そうに取り上げて、眺め、触るエウレカ。
それはあたかも、ビューラの使い方を調べているかのよう。
○回想シーン:郊外の電話BOX
『それまでは、電話なんてのは女の方からかけてくるもんだと思ってた』
電話ボックス内、緊張して電話をかけるホランド。
「あ、ダイアン? 俺、ホランドだけど…」
しかし、電話に出たのはアクセル。
「ウチにはそんな娘はおらん」
と言い放つと、にべも無く叩き切るアクセル。
ガチャン、ツーツーツー。
電光石火で再びダイヤルを押すホランド。
「ん、んんっ。(姿勢から畏まるホランド、余所行きの声で)ダイアンさんのおじい様でございますか?」
鼻をつまみ、声を変えて話すアクセル。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません!」
ガチャン、ツーツーツー。
電話ボックスごとずっこけるホランド。
○回想シーン:軍時代のホランド自室。
雑誌『HI-REF VOL.25』を顔にのせ、ベッドに寝転がっているホランド。
ノック音の後、確認もなしに入ってくる同僚?、冷やかし口調で用件を告げる。
「おい、お前に有線。ベルフォレストから。女だ」
それを聞くなり、すぐさま上半身を起こすホランド。
「っ!」
■AパートEnd
■今回も当然あったりする言い訳(お約束)
電子テキスト化する時に、今回はTV録画ビデオを使用、手順としてはまず台詞を聞き取り、それから画面を観て状況を記入する、という順序の作業を行っています。
がそれでも、UP前のチェックで状況説明に脳内補完(個人的判断)を入れてる可能性がありますので念の為。但し、台詞はそのままです(…ただ、その台詞が100%正しいとはいえません)。
上記の事を理解した上で、台詞や状況説明等の「ここってこうじゃない?」というの突っ込みをお待ちしてます。
2006年1月2日 状況説明補完版
2006年1月2日 修正版(yasuさん、大感謝です)
まずは台詞先行版をUPします。状況描写は不完全な上に、脳内補完がばしばし入ってます。…ので、今回は台詞のみに注目してくださいませ(…今週中に状況描写を付け加えた形にしますので)。
年をまたぎましたが状況説明を付け加えた完全版として修正しました。
■第36話 ファンタジア Start
○軌道エレベータから首都キャピトルヒルへ。
そこにアゲハ隊Eの声が被る。
『オレンジ02号弾試射の際、THE ENDがTYPE ZERO 乙型と接触していた模様です』
○デューイ自室。
報告書を捲るデューイ。
「ご報告遅れまして」
報告に立つオレンジ隊E。
「君が気に病むことはない。状況が状況だった」
事も無げに言うデューイ。
「しかし奴ら、ヴォダラクの高僧など連れ去って一体どうしようと」
疑問をデューイに投げるアゲハ隊E、デューイはそれに対し答える。
「心配はいらん。奴らがやろうとしている事など見えすいている。月光号の目指す場所はひとつ。勿論、奴らが事を起こすより先にコーラリアンの中心核を見つけるのが最良だが、それには少々オレンジの着弾点を増やさねばならない」
報告書のホランドの写真に目をやりながら呟くデューイ。
「私は必要の無い血など流したくないのだが、お前がいけないのだよ…ホランド」
部屋に入ってくるアゲハ隊D。報告を行う。
「出航準備整いました。ご指示あり次第、直ちに出航出来ます」
アゲハ隊Eがデューイに問う。
「出頭命令は如何なされますか?」
口元に笑みを浮かべながら言うデューイ。
「彼等に伝えてもらえるかな。(画面:港に停泊する巨大戦艦)時が来れば必ず伺う。今しばらくお待ちいただきたいと」
色はオレンジ、どことなく禍々しい印象を受ける艦である。
○軌道エレベータから首都キャピトルヒルへ。
そこにオレンジ隊Eの声が被る。
『オレンジ2号弾試射の際、THE ENDがTYPE ZERO 乙型と接触していた模様です』
○デューイ自室。
報告書を捲るデューイ。
「ご報告遅れまして」
報告に立つオレンジ隊E。
「君が気に病むことはない。状況が状況だった」
事も無げに言うデューイ。
「しかし奴ら、ヴォダラクの高僧など連れ去って一体どうしようと」
疑問をデューイに投げるアゲハ隊E、デューイはそれに対し答える。
「心配はいらん。奴らがやろうとしている事など見えすいている。月光号の目指す場所はひとつ。勿論、奴らが事を起こすより先にコーラリアンの中心核を見つけるのが最良だが、それには少々オレンジの着弾点を増やさねばならない」
報告書のホランドの写真に目をやりながら呟くデューイ。
「私は必要の無い血など流したくないのだが、お前がいけないのだよ…ホランド」
部屋に入ってくるアゲハ隊D。報告を行う。
「出航準備整いました。ご指示あり次第、直ちに出航出来ます」
アゲハ隊Eがデューイに問う。
「出頭命令は如何なされますか?」
口元に笑みを浮かべながら言うデューイ。
「彼等に伝えてもらえるかな。(画面:港に停泊する巨大戦艦)時が来れば必ず伺う。今しばらくお待ちいただきたいと」
色はオレンジ、どことなく禍々しい印象を受ける艦である。
■タイトル:第36話 ファンタジア Fantasia
■AパートStart
○月光号内ホランド自室。
「でゅてぃてぃでゅてぃてぃ…と、んん。うんん。」
ソファに寝転び、鼻歌を混じりで、ピザに山盛りのマヨネーズをかけて食べるノルブ師。
そのソファの周りには食べたピザの容器や飲んだビールらしきものの缶が散乱している。
「レントンがエウレカの対なる者だ。それを認めたからあんたは俺達と共に月光号へ来た。そうだな?」
床に腰掛け、話すホランド。しかしノルブ師はピザを食べているだけ。
「駒は揃えた。次は…ニルヴァーシュか。エウレカとレントンがグレイトウォールを越えるにはどうすればいい?」
えんむえんむ…とひたすら食べるノルブ師。食べ終わって一言。
「おかわりーぃ」
横目で見るホランド、冷たく言い放つ。
「そいつで打ち止めだ」
「ええーん。うえん(と煙草を催促する手つき)」
それをみて、ホランド、
「俺は吸わねえ。ちなみにこの部屋は禁煙だ!」
とたたみかける。
「ちっ。取り敢えずヴォダラ宮まで送ってもらえると助かるねえ」
しかたがないから寝る、といった感じでねころびながら言うノルブ師。
「ヴォダラ宮…。あんたらの本山か」
問い返すホランド。しかし、
「くー」
と、即行でノルブ師は高鼾(いびき)。
「ん、ああっ」
呆れて部屋を出ようとするホランドに、
「あの2人、本心より惹かれあっているのか?」
寝ている筈のノルブ師が急に問う。
「っ!」
驚くホランドに、今までと違う真面目な口調で呟くノルブ師。
「なら急いだ方がいい」
立ち止まってノルブ師を見つめるホランド。
ノルブ師はまた、高鼾。
○月光号内格納庫。
ニルヴァーシュを磨くエウレカ。
「…あっ」
横に出来てる傷に気付く。そしてそこに自分の顔の傷が重なる。
落ちるスプレー缶。
それはエウレカが、スプレー缶を持っていた手で自分の顔の傷を触っていた為。
「おおーっ!」
そこに叫びながらやってくるレントン。
「可哀想にこんな傷」
ニルヴァーシュの傷を触って言う。
「えっ?」
その言葉に反応してしまうエウレカ。
「スペックアップしたばっかりだってのに」
自分のウエストポーチから塗料を取り出し、拭きつけて手当をするレントン。
眉を顰めるエウレカ。
「駄目なの?傷…」
自分の顔に残ってる傷を触りながら聞くエウレカ。でもレントンはそれに気付かずに、
「んー、戦闘で傷が付くのはしょうがないけど、でもやっぱ、綺麗な方がいいよね」
と言う。
「っ!」(驚くエウレカのアップ)
自分の顔に残ってる傷を触りながら、エウレカ後ずさりしていく。
レントンはひたすら傷の修復をしていて気付かない。
「…よし(満身の笑みを浮かべるレントン)、これで元通り。ほら、ニルヴァーシュだってとっても喜んでる。君にも聞こえるだろ?」
振り向くレントン。しかし、そこにエウレカの姿はない。
代わりに立っていたのが、パンツ一丁で桶を抱えたホランド。
「…? エウレカ?」
驚き、きょろきょろしてエウレカを探すレントンに、桶を鳴らして、
「たまには付き合わねえか」
と風呂に誘うホランド。
「え?」
肩をすくめるレントン。
○月光号内女子トイレ(かな?)。
鏡を見つめながら、傷の上の髪の毛を引っ張っているエウレカ。
がちゃっと扉の開く音。
「やっぱ気になる?」
そこに後ろから声。
「え?」
驚くエウレカの横にやってくるギジェット。
「コンシーラとファンデで隠せるよ」
「ファンデ?」
不思議そうに聞くエウレカ。
「ああー、エウレカ、メイクなんてしないか」
腕組みをし、エウレカのほうに向き直るギジェット。
「あっ?」
エウレカの顔をまじまじと見つめる。
「いいなー」
自分にとっては不思議だからか、素朴にギジェットに聞くエウレカ。
「どうしてメイクするの?」
エウレカの両肩に手を置き話しだすギジェット。
「ノーメイクなんて今更無理。(身体を起こして)それに綺麗になりたいじゃん。(ギジェットにっこりしながら)綺麗な方がドギー喜ぶし」
「ギジェットが綺麗になるとドギーは喜ぶの?」
ほよよーといった体で聞くエウレカ。そうなんだよと、うんうんと頷きながら語るギジェット。
「うん、メイクしなかったら全然態度違うんだよ、あいつ」
「レントンもニルヴァーシュが綺麗になったらすごく喜んでた」
なるほどと納得顔のエウレカ、先程のレントンを思い出して言う。それを聞いたギジェット、ため息混じりに、
「私LFOっすか」
と嘆く。
エウレカ、頬を赤らめた顔で話し出す。
「ギジェット…」
「ん?」
どうしたの?とギジェット。エウレカは意を決して言う。…その時、視線は逸らしたまま。
「あ、…私もメイクして綺麗になりたい」
「ウフ」
それを聞いたギジェットはにっこりと笑う。
○月光号内風呂場。
「レントン」
身体を洗うホランドと頭を洗うレントン。
「はい?」
「お前さ、ガキの頃、姉さんの靴隠して困らせた事あったろ」
「ん…」
頭を洗う手を止めて、ホランドの方を向くレントン。
○回想シーン
幼いレントンが赤い靴を持って逃げている。
「どうして」
「…ったく、記念すべき2人の初デート、邪魔すんなっつーの」
横目で睨むホランド。でもその目に怒りがあるわけではない。
「へ?」
きょとんとするレントン。
「お前の姉さんは、ダイアンは俺の初恋の人だ」
鏡に映るホランド。
「っ!」
ようやくピンとくるレントン。
○月光号内コンビニ。
買い物かごに次々に化粧品を詰め込むギジェット。
「んー、私の貸してあげられればいいんだけど、肌の色が合わないから…、おっ」
お目当てのファンデが見つかったのか、エウレカに対して、
「手、出して」
「ギジェット…」
「任せて」
実際に塗ってみてみるギジェット。
「んー、カバー力もあるし、結構いいかも」
「私、そんなにお金、持ってない…」
困った顔のエウレカ言うも、簡単に言い切るギジェット。
「レントンにつけとけばいいよ」
「つけ?」
驚いた顔のエウレカに、さも当たり前と話すギジェット。
「だってエウレカ、奴を喜ばせてあげるんでしょ」
「…喜んでくれるかな?」
心配気なエウレカに笑い頷くギジェット。その笑顔にエウレカも不安を解消されたのか、2人であれこれと化粧品を漁って、買い物かごにほうりこんでいく。
このシーンにホランドの語りが被る。
『まだお前が生まれる前だな、俺が12の頃だ』
○月光号内風呂場。
話すホランドを見つめるレントン。
「初めてダイアンと出会ったのはボルナタの軍管轄地、アドロックのおかげで俺達は自由に出入りできた」
○回想シーン:ボルナタの軍管轄地
ボード片手に草原を走っていく若き日の少年ホランド。
『その丘にはいつだってご機嫌な波が吹いてた。時間があればその秘密のスポットで腕を磨いた。俺達の他には誰もいない筈だった』
ボードに飛び乗り、リフしだす。
カットバックドロップターンを決めようとするその時、
「はぁ」
突風が吹き、
「うわぁあー!」
ホランドは上空でバランスを崩し、落ちて行く。
草むらに寝転ぶホランド。
「…ってえ」
ソコにやってくる人影。
「大丈夫?」
寝転ぶホランドを覗き込む少女、
「お兄ちゃん」
手を伸ばし、傷を触りながら、聞く。
「痛いの、おでこ?」
そしてそのまま、傷口にキスをする少女。
「あ、あ、何するんだよ」
その行為に驚き、慌てて身を起こすホランドに少女は、
「お父さんがね、ダイアンが痛い時にしてくれるんだよ」
天然ボケな返答をする少女。
「お前、何処から入ったんだよ。邪魔だよ、どっか行けよっ」
恥ずかしくって、思わず少女を突き飛ばしそっぽを向くホランド。
突き飛ばされた少女は、ちょっと肩をすくめて、泣かずに立ち上がりその場から去っていく。
振り向いたホランドの目に、お父さんらしき人物の元へ駆け寄っていく少女の姿が映る。
『家の中に篭りっがちだったダイアンをアドロックがなだめすかして連れてきたってのが、後で聞いた話だ』
少女(ダイアン)に笑いかけるお父さん(アドロック)、その陰からホランドを覗く少女(ダイアン)。
○月光号内風呂場。
天井の窓から夜空を眺めながら話すホランド、聞くレントン。
「彼女がスポットに姿を見せたのは、後にも先にもそれっきり。嫌われたと思ってたんだよ、あの時までは」
○回想シーン:セブンズウェル現象
○回想シーン:軍施設
『軍はアドロックの死を発表した後も、彼の残した研究データや遺品を調査し続けた。全てが終わるまでには数年の時間が必要だった』
KEEP OUTのテープで入り口が塞がれている部屋の前で止まるホランド、
「誰かいるのか?」
中の人物に気付く。
「あっ!」
部屋の中には喪服を着た少女。振り向く。…それは成長したダイアン。
「っ、ダイアン!」
KEEP OUTのテープを破り部屋に入るホランド。興奮して話しかけるも、
「覚えてないか? ボルナタのリフスポットで一度だけ」
何も言わず視線を逸らすダイアンに我に返り、遺族が知りたいであろう事を告げる。
「…遺品なら司令部の方だ」
右手でテーブルを摩りながら話し出すダイアン。
「父はここで一体何を確かめようとしていたんでしょう?(ぐっと右手を握り締める) 私、父の事何も知らないんです。16年間も一緒に生きてきたのに…何も」
それを聞き、視線を逸らしながら後姿に話すホランド。
「アドロックの研究内容は軍の人間でも一部にしか開示されていない」
「そう」
扉の方へ歩みだしながら話すダイアン。
「どうすれば知る事が出来るのかしらね、(歩みを止めて)…ホランド」
「!」
名前を呼ばれたことに驚くホランド。
振り返りホランドを見つめて言うダイアン。
「覚えてるわ、あなたが波に乗る姿。とっても素敵だった」
思わず、ダイアンに近付くホランド、
「力になれる事があったら…あっ!」
話の途中でダイアンに手を握られ、言葉が途切れる。
「連絡して」
と、ホランドを見つめたまま言うダイアンに。口を開けたままのホランド。
○月光号内エウレカ自室。
テーブルの上の鏡に映るエウレカ。
「本当に大丈夫?」
心配そうな表情のギジェット、エウレカに問うも、
「あ。う、うん、自分でやってみたい」
の言葉に、
「じゃあ頑張れ!」
「うん」
と親指を立て励まして部屋を出て行く。
テーブルの上に並べた化粧品を見渡し、それからビューラを不安気にでも興味深そうに取り上げて、眺め、触るエウレカ。
それはあたかも、ビューラの使い方を調べているかのよう。
○回想シーン:郊外の電話BOX
『それまでは、電話なんてのは女の方からかけてくるもんだと思ってた』
電話ボックス内、緊張して電話をかけるホランド。
「あ、ダイアン? 俺、ホランドだけど…」
しかし、電話に出たのはアクセル。
「ウチにはそんな娘はおらん」
と言い放つと、にべも無く叩き切るアクセル。
ガチャン、ツーツーツー。
電光石火で再びダイヤルを押すホランド。
「ん、んんっ。(姿勢から畏まるホランド、余所行きの声で)ダイアンさんのおじい様でございますか?」
鼻をつまみ、声を変えて話すアクセル。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません!」
ガチャン、ツーツーツー。
電話ボックスごとずっこけるホランド。
○回想シーン:軍時代のホランド自室。
雑誌『HI-REF VOL.25』を顔にのせ、ベッドに寝転がっているホランド。
ノック音の後、確認もなしに入ってくる同僚?、冷やかし口調で用件を告げる。
「おい、お前に有線。ベルフォレストから。女だ」
それを聞くなり、すぐさま上半身を起こすホランド。
「っ!」
■AパートEnd
■今回も当然あったりする言い訳(お約束)
電子テキスト化する時に、今回はTV録画ビデオを使用、手順としてはまず台詞を聞き取り、それから画面を観て状況を記入する、という順序の作業を行っています。
がそれでも、UP前のチェックで状況説明に脳内補完(個人的判断)を入れてる可能性がありますので念の為。但し、台詞はそのままです(…ただ、その台詞が100%正しいとはいえません)。
上記の事を理解した上で、台詞や状況説明等の「ここってこうじゃない?」というの突っ込みをお待ちしてます。
by hk-club
| 2005-12-26 10:26
| エウレカセブン【台詞起こし】